ダイナミックプライシングを実現する上で重要なのが競合価格の把握です。しかし、これはデジタルだけで完結するものではありません。EC価格はデジタル技術によって取得できますが、実店舗の価格は店舗に行く以外に取得の方法はありません。そのため現在でも多くの小売業では競合店舗を訪問して価格を確認するなど、アナログな調査が行われています。
まとめると、価格データの取得には「EC価格の把握」「競合店舗調査」「自店の店舗別価格の理解」といった複数の施策を組み合わせる必要があります。
もう一つ重要な点は、競合が安いからといって全ての商品を値下げする必要はないということです。小売業では、来店動機になる商品とそうでない商品があります。例えば食品スーパーでは、牛乳、卵、米、食パンなどが価格比較されやすく、来店動機になりやすい商品です。
全ての商品で価格競争をすると利益率が低下します。そのため小売企業は、自社独自で「価格訴求商品」「利益確保商品」「差別化商品」などを分類し、それぞれに適した価格戦略を設定するべきです。ダイナミックプライシングを導入する場合も、このような商品分類を前提に価格を算出する必要があります。
そしてダイナミックプライシングはAIやITだけで完結するものではありません。必要なのは、データ取得、データ分析、価格アルゴリズム、店舗の経験と判断を組み合わせることです。
小売業において、価格は次のような要素で決まります。
特に小売の現場では、店舗スタッフの経験や地域特性への理解が重要になります。AIが算出した価格をそのまま適用するのではなく、最終的には人の判断を加えることが重要です。
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