こうした変化の中で、ダイキンは独自のポジションを築こうとしている。
同社の強みは「大空間冷却」「サーバ冷却」「チップ直接冷却」(液冷却)の3領域を全て提供できる体制を構築している点にある。従来は空間全体を冷やす空調が中心だったが、データセンターの進化に合わせ、必要な技術を段階的に取り込んできた。
背景にあるのが積極的なM&A戦略だ。米グループ企業のDaikin Applied Americasを通じて、データセンターの変化、顧客ニーズを捉えたM&Aを実施してきた。
2023年にはデータセンター全体を冷やす大空間向けエアーハンドリング技術に強みを持つ米Alliance Air Productsを含む2社を、約300億円で買収した。
そして2025年、サーバを積んだラックを個別に冷却する技術を持つ米Dynamic Data Centers Solutions(DDCS)、チップを冷却液で冷やす技術を持つ米新興企業のChilldyneを買収し、データセンター冷却を統合的に支援する体制を整えた。
参考:空調のダイキンが“液冷”も──AIデータセンターを丸ごと冷やす事業戦略とは?
これにより、ダイキン1社との契約で、顧客がデータセンター全体の冷却を設計・最適化できる状態になった。
冷却方式については、2030年時点でも「空冷(空気による冷却)7割・液冷3割」と予測する。引き続き空冷はデータセンターのベースとなる設備であり、高度なAI処理では液冷の比率が高まるという考えだ。
同社は、北米のデータセンター冷却市場が2025年から2030年にかけて約2.5倍に拡大し、2.7兆円規模に達すると試算する。2025年時点で約1.1兆円の市場に対し、同社の売り上げは約1000億円となった。
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