スポーツ庁によると、昨年1月時点で新設・建て替えの計画は45件。今年は兵庫県姫路市の「ひめじスーパーアリーナ」など数十件の開業が予定される。
建設ラッシュの背景として、2016年に発足したBリーグが、安定した集客を見込めるプロスポーツとして定着し、収容人数や収益性などの点で施設の高度化が求められているほか、新型コロナウイルス禍後に大型コンサートが本格再開したことが挙げられる。
国内でスタジアム・アリーナの運営を手掛ける主要企業50社を対象にした帝国データバンク東京支社の調査によると、24年度の売上高は計3851億円で、コロナ禍前の19年度から18.7%増えた。帝国データは「飲食スペース拡充などサービスが向上し、来場者1人当たりの消費単価が上がっている」と分析した。
一方、課題もある。プロバレーボールチームなど複数のスポーツチームが活動拠点とする岡山市は、既存のアリーナでは各チームのトップリーグ参入要件を満たさず、試合ができなくなるとして最大1万人を収容できるアリーナの新設を計画。ただ当初145億円と見積もった事業費は物価高に加え、採算を考慮し収容人数を6千人から1万人に増やしたことで最大280億円に膨らんだ。
市民からは財政負担への不安のほか、既存施設との競合など必要性を疑問視する声が出ている。大森雅夫市長は「岡山でアリーナがどう機能するかを考えなければいけない」と強調。市は20年間で2800億円超の経済効果があると試算し、住民説明会などを通じて理解を求める方針だ。
アリーナの意義について、日本女子体育大の上林功教授(スポーツ施設論)はイベント開催による集客に加え、災害時も活用できるため「都市機能として優れている」と指摘する。「地域全体に利益をもたらす仕組みが重要。それなしでは混雑や渋滞を生む迷惑施設になってしまう」と述べ、官民一体でアリーナを軸としたまちづくりを進めるべきだとした。(入沢亮輔、石橋明日佳)
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