「1泊300万円のホテルの部屋」と聞くと、どんな光景を思い浮かべるだろうか。
広さ128平方メートルの客室に、65平方メートルのテラス。そこから見えるのは、瓦屋根が連なる街並みと、山々の稜線。夜になれば、店先の赤い提灯が灯る――。
そんな客室が、京都の祇園に登場した。2026年3月に開業した「帝国ホテル 京都」の最高級スイートである。宿泊料金は、1泊300万円(税サ込、宿泊税別、時期によって料金は変動)もするので、「オレの年収だと、2泊しか泊まれないよ」「はいはい、富裕層が泊まるところね。庶民には関係ねーや」などと思われたかもしれない。
最高級の客室だけでなく、その下のカテゴリーもちょっと刺激的な価格である。ワンランク下の客室は1泊62万2400円から、さらにその下は31万6300円から。客室単価は、同社が運営する4つの施設(東京、大阪、上高地、京都)の中で、最も高いのだ。
価格を高めに設定している理由の一つが、立地だ。ホテルがあるのは、祇園の象徴ともいえる歴史的建造物の中。もともとは、1936年に完成した劇場「弥栄(やさか)会館」で、芸妓(げいこ)組合やお茶屋組合が資金を出し合い、祇園の文化拠点として建てられた。
春の風物詩「都をどり」が披露される祇園甲部歌舞練場(以下、歌舞練場)の敷地内にあり、長年、京都の人に親しまれてきた建物である。今回、この歴史的建築を保存・改修し、ホテルとしてよみがえらせたのだ。
それにしても、1泊300万円の客室の中は、どうなっているのか。どんな人が泊まって、どんな1日を過ごしているのか。帝国ホテル 京都で、総支配人を務める坂田玲子さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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