実質賃金マイナスが続いたこの3年ほどの間に、前半期には低価格で訴求するディスカウントストアへのシフトが急速に進んだ。しかし、それが一巡すると、絶対価格よりもコスパを見極めようとする消費者の動きが目立っている。少しずつ賃上げが追いついた層が、コスパ重視になってきたという見方もできるかもしれない。
こうして振り返ってみると、賃上げ環境の二極化、エンゲル係数上昇の影響など、複数の要因が相まって、消費者の節約行動も複雑化している。結果として、生鮮・総菜のコスパ重視の購買傾向が高まっていることが明らかになった。
こうした消費者動向を小売り企業も察知しており、前述の大手ディスカウントストアは生鮮・総菜のコスパ強化に動いている。
例えば、トライアルの弁当・総菜は安さをアピールしていたが、今はむしろ福岡の総菜業者である明治屋のノウハウを前面に押し出した、コスパの高い商品のおいしさをウリにしている。
ディスカウントストアは、生鮮・総菜の鮮度やおいしさが他社より弱いイメージもあったが、大手企業はセントラルキッチンの充実によって、そうした評判を払拭しつつある。価格だけではなくコスパも実現し始めているとなれば、中小零細には大きな脅威となるだろう。
人件費が高騰する昨今、規模の経済がますます勝敗を分ける時代になっていきそうだ。
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