NTTソルマーレが運営する電子コミックストア「コミックシーモア」のデータマーケティング戦略が注目を集めている。独自作品の提供や先行公開、使いやすさの工夫に加えて、「何話まで無料で読めるか」といったサービスを緻密なデータ分析から設計。さらに、個々の作品を担当者が実際に読んで最適化し、課金率を高める成果を挙げている。各電子コミックストアで取り扱う漫画が横並びになりがちな中、売上高が日本最大級の800億円規模にのぼるコミックシーモアは、どのように差別化してきたのか。具体的な取り組みを担当者に聞いた。
その成功例が、2023年6月に配信を開始した『元夫から「ロミオメール」が届いた件について』(著: 結衣まどか・ 猫小寺/シーモアコミックス)だ。
1話無料では思うような成果が出なかったが、ライトユーザーの課金転換率などのデータを分析し、読者が最も強く「続きが読みたい!」と感じる3話目までを無料公開範囲に設定。その結果、課金率が大幅に向上し、コミックシーモアの2024年の女性マンガジャンルにおける売り上げで首位になった。
逆に失敗例もあった。2話無料で効果があった作品を、勢いで3話無料にしたところ、課金率が低下した。
無料公開範囲の調整について、電子書籍事業部マーケティンググループ・ダイレクトチームの河上美登里さんは、「定量的なデータだけで無料話数を決めるのではなく、作品を実際に読んで『本当にここで買いたくなるか』を判断するマーケティング担当者の直感も必要」と説明する。無料話数を単純に増やすだけでは課金につながらず、試行錯誤が欠かせない。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング