アジア太平洋地域(中国を除く)において、マリオット系列のホテルに泊まる客の75%が、会員向けプログラム「Marriott Bonvoy」の会員だ。
この数字が意味するのは、マリオットにとってロイヤルティプログラムがもはや「おまけ」ではないということだ。会員が稼働を支え、稼働がホテルオーナーの信頼を生み、信頼が新たな物件契約につながる。そのエコシステムの出発点にMarriott Bonvoyがある。
2025年、Marriott Bonvoyの会員数は前年比20%増となり、世界で2億7100万人に達した。運営元のマリオット・インターナショナル(以下、マリオット)は、日本国内で現在120のホテルを展開。アジア太平洋地域(中国を除く)全体では730のホテルを運営しており、開発パイプラインにはさらに400軒超が控える。
アジア太平洋地域(中国を除く)のコマーシャルセールスオフィサー(CSO)ジョン・C・トゥーミー氏は「25年前、日本で40に満たなかったホテル数が、ここまで膨らんだ」と振り返る。
これだけの規模になれば、競合との差別化は一段と難しくなる。米国系の大手ホテルチェーンであるヒルトンやハイアットも、ポイントで体験を買える仕組みを整えてきた。
「体験型ロイヤルティ」は今や業界の共通言語だ。その中でマリオットは何を軸に戦うのか。
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──ヒルトンやハイアットも体験型の特典を強化しています。Marriott Bonvoyの決定的な違いはどこにありますか。
まずは規模です。世界30以上のブランド、1万を超える拠点。これだけの選択肢を持つロイヤルティプログラムは他にありません。ラグジュアリーからリーズナブルな価格帯まで、どこに行っても、どんなスタイルの旅でもマリオットのホテルがある。それが他との最大の違いです。
もう一つの柱がコンサートやグルメ体験、スポーツイベントに参加できる会員向け体験プログラム「Marriott Bonvoy Moments」です。F1、全豪オープン(テニスの四大大会の一つ)、クリケット、K-POP、ミシュランシェフによるダイニング──こうしたお金では買えない体験を、ポイントを使って手に入れられる仕組みです。
20代でも60代でも、会員が情熱を向けているものに届く体験を提供できるロイヤルティプログラムは、世界でも類を見ないと思っています。単にポイントを貯めて宿泊に使うだけでなく、会員の夢を叶える場として機能させたい。そこに投資しています。
──日本市場だけに向けた施策はありますか。
K-Popのイベントを3年続けています。2024年には、Marriott Bonvoy会員限定でLE SSERAFIM(韓国のガールズグループ)のトークイベントを、2025年にはENHYPEN(韓国のボーイズグループ)とコラボした会員限定キャンペーンを実施しました。
4月にはTWICE(韓国発のガールズグループ)とのキャンペーンを開催する予定です。会員がポイントを使って抽選に応募し、当選するとアーティストと直接会えるミート&グリートに参加できます。
2025年のENHYPENのイベントでは200人の会員が当選しました。アーティストが登場した瞬間、会員の興奮はすさまじかったですね。
F1も同様です。ガレージツアーやエンジニアとの朝食の時間を用意しています。レースの裏側を作っている人たちと直接話せる機会を、ポイントで手に入れられます。
──グループのリッツ・カールトンが提供するザ・カリナリー・ジャーニー(美食体験プログラム)も日本独自の取り組みですか。
そうです。ミシュランの星を持つシェフによる会員限定のダイニング体験で、会員だけが参加できます。F1、K-POP、ミシュランのダイニング──。いずれも、お金だけでは買えない体験です。
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