パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。
1. はじめに:観光立国の「光」に隠れた「影」
訪日外国人観光客の急増に伴い、日本の宿泊インフラを支える存在として「民泊」は急速にその規模を拡大させた。しかし、それに比例するように「民泊トラブル」が社会問題化している。
深夜の騒音、ルールを無視したゴミ出し、見知らぬ外国人がマンション内を闊歩することへの防犯上の不安。連日のように報じられるこれらの軋轢は、もはや一過性のマナー問題と片付けることはできない。
筆者は今から約10年前、『オーナーが同居しない空き部屋シェアリングは規制強化せよ』というコラム記事を執筆した。当時はAirbnbが日本に上陸して間もない頃であり、民泊はまだ「個人の副業」や「空き部屋の有効活用」という牧歌的なイメージで語られていた。
しかし、その後の10年で状況は一変した。民泊は「個人のもてなし」から「ドライな投資対象」へと変貌を遂げ、その歪(ひず)みが今、地域社会の忍耐の限界を超えようとしている。
2. 変質する民泊オーナーの正体
かつての民泊は、日本人のオーナーが自宅の一角を貸し出す、あるいは近隣に住むオーナーが管理の目を光らせる形態が主であった。しかし現在、都市部のマンションを中心に進んでいるのは、オーナーの「不在化」と「外資化」である。
特に目立つのが、中国系富裕層による日本の不動産投資と、それに伴う民泊への転用だ。彼らの多くは日本国外に居住しており、物件の管理も、宿泊客の誘客も、日々の運営もすべて専門の業者に丸投げしている。ここで発生するのが「責任の空白」である。
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