ファミマの店内サイネージが「ファミマTV」に “なんとなく見る”から転換、来店・購買をどう変えるか

» 2026年04月10日 13時30分 公開
[米倉志保ITmedia]

 ファミリーマートは4月14日に、店舗に設置しているデジタルサイネージの名称を「FamilyMartVision」(ファミリーマートビジョン)から「ファミマTV」に改称する。販促媒体としてだけでなく、来店客が視聴を楽しむ「身近な生活動線上の放送局」として位置付け、オリジナルコンテンツを強化する。

「ファミマTV」に改称(発表会にて編集部撮影、以下同)

 FamilyMartVisionは2021年9月から導入し、現在は全国約1万1000店舗に設置している。放映枠の約7割は広告枠として活用し、新商品やキャンペーン情報などを配信。出稿企業数は440社以上で、2025年度の売り上げは2021年度比で約70倍に拡大した。

 広告以外の枠では、ニュースや天気予報といった生活情報に加え、芸能人やアーティストが出演するオリジナル番組も配信している。メディア事業を手掛けるゲート・ワン(東京都港区)と共同で、これまでに600本以上のコンテンツを制作してきた。

 ゲート・ワンによると、媒体認知率は平均で約56%。特に10〜20代では約70%に達しており、若年層を中心に認知が広がっているという。店内のAIカメラによる分析では、全時間帯の平均視聴率は約64%に達した。

全国約1万1000店舗に設置

 今回の改称で「なんとなく見る存在」から「見たくなる存在」への転換を図る。名称に「TV」を採用することで、オリジナルコンテンツが流れるメディアであることを直感的に伝え、視聴の能動性を高める狙いだ。

 SNS上では「推しが出演するコンテンツを見るためにファミマに行く」といった声も見られる一方、実際には広告以外のコンテンツがあることを知らない来店客も少なくない。

 ゲート・ワンの速水大剛副社長COOは「名称を聞いただけで楽しいコンテンツが流れていそうだと想起していただく。『TV』という言葉が持つ大きさとスピード感は、非常に強いものだと感じている」と説明した。

 新コンテンツとして、4月14日からはタレントの森香澄氏が出演するグルメ番組「秘密の夜食」を放映する。1日の終わりに楽しめる背徳感のある夜食をテーマに、ファミマの商品を紹介する。夜から深夜帯に放映し、2週間ごとに更新する。

グルメ番組「秘密の夜食」

 6月2日からは、俳優・アーティストの中島健人氏が出演する映画番組「Kenty CINEMA」(ケンティーシネマ)を開始する。映画好きの中島健人氏が、独自の視点で見どころや魅力を紹介する。週に1回更新し、朝・昼の時間帯に放映する。

映画番組「Kenty CINEMA」(ケンティーシネマ)

 4月14日から、ファミマTVの公式TikTokアカウントも開設する。ゲート・ワンのコンテンツ&アドマネジメント部マネジャーの白幡裕彦氏は「店内で映像がただ流れているだけのメディアではなく、店の外で知っていただいて、来店して視聴するという体験を作りたい」と話した。

 オリジナルコンテンツを強化し、メディアとしての魅力を高めることで、来店動機の創出や購買の活性化につなげる。

 速水氏は「お客さまにとっては楽しい店舗体験を提供できる。加盟店さまにとっては来店客数が増える、購入単価が上がるという形で日商に貢献させていただく。広告主さまにとっては広告の認知率が高まる、広告効果が上がりやすくなる。こういった世界を、能動的な視聴行動を作り上げることで目指していきたい」と意気込んだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR