コメダの高い営業利益率を支える主な要因を、3つの観点から整理します。
まず挙げられるのが、FC中心の事業構造です。直営店中心の企業では、店舗スタッフの人件費や家賃、水道光熱費などを自社で直接負担するため、販管費が重くなりやすく、営業利益率は低くなりがちです。
コメダのFC比率は90%を超えているため、本部側は販管費を抑えやすく、高い営業利益率を維持しやすい仕組みになっています。一方、サンマルクは直営店比率が高く、販管費負担が収益を圧迫していると考えられます。
さらに、コメダは特徴的なロイヤルティ制度を敷いています。ドトールが売り上げに比例して支払額が増える「売上連動型」を採用しているのに対し、コメダは客席数を基準にした定額制(1席当たり月額1500円)を採用しています。
この仕組みでは、売り上げが増えても本部への支払いは変わりません。そのため、売り上げの伸びがそのまま加盟店の利益に反映されやすく、オーナーが積極的に集客や売り上げ拡大に取り組むインセンティブにつながる設計になっています。
また、コメダはFC加盟店にコーヒー豆やパンなどの食材を卸しているため、加盟店の売上増加はそのまま同社の売上拡大につながる構造になっています。実際、直近3期におけるFC加盟店向け卸売の既存店売上高は、いずれも前年を上回っています。
コメダの強みは、ドリンクだけでなく軽食やデザートなどの定番商品を幅広く展開している点にあります。一般的なカフェでは、コーヒー1杯で長時間滞在されると、客単価が伸びにくい傾向があります。
しかしコメダでは、モーニング、サンドイッチ、グラタン、シロノワールなど、追加注文につながりやすい商品を豊富にそろえています。
コメダ、ドトール、サンマルクの定番商品の価格を比較すると、コメダのシロノワールは740〜800円、ドトールのミラノサンドは490〜650円、サンマルクカフェのチョコクロは250円です。相対的に見ても、コメダは高単価の商品を主力に据えているといえます。
これだけで客単価の優劣を断定することはできませんが、客単価を押し上げやすい商品構成を備えていることは確かでしょう。
コメダは「くつろぎ」をブランドの中核価値としています。これはイメージ戦略にとどまらず、空間設計や接客方針にも落とし込まれています。
店舗では、導線や通路の広さ、視界に入る木目やレンガの割合、テーブルやソファの高さに至るまで、来店客の居心地を意識した設計を徹底しています。
また、どの店舗でも変わらない品質を提供することにも力を入れています。コーヒーは焙煎状態を見極めて抽出し、パンは自社工場で製造するなど、品質維持の仕組みが整えられています。接客面でも、マニュアルに依存しすぎず、来店客のくつろぎを意識した対応が重視されています。
こうした「空間そのものの価値」は、価格競争とは異なる土俵で顧客に選ばれる理由となり、結果として高い収益性を支える要因の一つになっていると考えられます。
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