本記事の内容は、RX Japan(東京都中央区)が4月8〜10日に開催した「Japan DX Week」内で実施されたセミナー「現場起点のDXを促す丸紅の仕組み作り 〜グループ2万人の生成AI活用の実態〜」の内容を要約したもの。
多くの企業において、DX自体が目的になってしまう「DXの自己目的化」に陥りがちだ。なぜDXに取り組むのか。総合商社・丸紅の答えは「事業を成長させるため」と、とてもシンプルだ。
同社は世界中に拠点を持ち、5万人以上のグループ従業員を抱える。情報、物流、食料、金属、エネルギーなど事業領域は多岐にわたり、現場ごとに抱える課題は異なる。
これほど多様な現場を抱える組織において、本社が主導し一律のデジタルソリューションを提供することには限界がある。そこで同社が重視するのが「現場起点」かつ「内製志向」のDX推進だ。
同社はDX推進のための部署を社内に設置するのではなく、高度な専門性を持ち、機動力に特化した「専門の事業会社」を設立した。さまざまなDX施策に取り組む中で見えてきたのは「事業成長の手段はデジタルに限らない」という、DXの先を見据えた知見だった。
ある時は国内の牧場、ある時は物流センター、またある時は、地球の裏側チリにある水産工場──。同社がビジネスを手掛ける多種多様な現場において、担当者が抱える「困りごと」の質は千差万別だ。
これまでの数年間、同社は数多くの現場課題に向き合ってきた。例えば、国内の畜産業界に向けたデジタルマーケティングプラットフォーム「Beeco Program」の開発・運営。あるいは、新潟県の物流センターにおける生成AIとOCRを組み合わせた受発注業務の自動化。チリの工場でのAIによるウニの品質選別ソリューションの開発・導入などが挙げられる。
これらの事例に共通するのは、現場に深く入り込み、吸い上げた課題に対して迅速にプロトタイプを作り、改善を繰り返すアジャイルな手法だ。同社バリュークリエーションオフィス所属の上西広弥氏は「何か特別なことをしているわけではなく、愚直にこうした作業を繰り返してきた」と話す。
世界中に散らばる課題を回収し、解決していくための社内リソースをためていく。そのためには「外部パートナーに発注するのではなく、現場とともに考え自ら手を動かす内製が不可欠だった」と上西氏は説明する。
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