「マネジャー」は本当に必要か? AI時代に求められる管理職の仕事(4/4 ページ)

» 2026年05月04日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]
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AIの登場が問い直す「人材」の位置づけ

 この問題は、AIの急速な進化によって、より鮮明になりつつある。

 生成AIの台頭により、これまで若手社員が担ってきた業務の多くが代替されつつある。データ入力、資料作成、定型的なコミュニケーション対応。こうした業務は、AIのほうがはるかに速く、正確にこなす。

 正直に言おう。私も1年半にわたってChatGPTやClaudeと深くコミュニケーションをとってきたが、主体性がなく指示待ちの部下よりも、AIのほうがはるかに意思の疎通ができると感じる瞬間は確かにある。

 AIには「スケジュール」という概念がない。忙しいAIは存在しない。一方人間には向き不向きがあり、スキルの差があり、やらされ感を覚えることもあれば「モチベーションが上がらない」と言い出すこともある。人というのは、リソースとして扱うには非常にやっかいな存在だ。

 とはいえ、人間にしかできないことは確かに存在する。創造性、深い文脈の理解、信頼関係の構築、そして組織の方向性を示すリーダーシップだ。AIをリソースとして使いこなしながら、人間の強みが発揮される領域に集中させる。これが、これからのマネジメントに求められる姿だ。

では、管理職は何をすべきか

 組織は何のために存在するのか。組織目標があり、その目標を達成させるために存在している。これが集団との決定的な違いだ。この原点に立ち返ることが、AI時代の管理職に最も必要なことだ。

 企業には理念がある。ミッション、ビジョン、バリューで構成されるその理念を実現するために、目標が設定され、事業計画が立てられる。その目標を達成するための手順を正しく知り、組織全体に共有し、徹底させる。これが管理職の本来の役割だ。

 人の成長を支援することも、部下の気持ちに寄り添うことも、それ自体は大切だ。しかしそれは「目標達成のための手段」として行うのであり、それ自体を目的にしてはならない。目的と手段を取り違えた瞬間に、管理職は迷走し始める。

 「どうすれば部下のモチベーションが上がるか」ではなく「どうすれば目標達成の手順が組織全体で実行されるか」。この問いに答えることが、これからの管理職に求められる最大の仕事である。

正しく立てて成果につなげる 目標達成の全スキル

「目標は立てている。でも、なぜか達成できない――」

その原因は、努力不足でも意志の弱さでもありません。

多くの場合、問題は「正しい目標の立て方ができていない」ことにあります。

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