売り上げや利益はおおむね堅調に推移している一方で、伊藤園の株価は2021年以降、右肩下がりが続いています。
背景には、原材料価格の高騰に加え、後述する自動販売機事業の苦戦などがあり、市場の評価が徐々に厳しくなっているとみられます。
以下では、伊藤園の決算日時点(休日の場合は前営業日)の終値と、EPS(1株当たり利益)、BPS(1株当たり純資産)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)の推移をまとめました。
特筆すべきなのは、2021年4月期のPER(株価収益率)の高さです。一般的にPERは15倍前後が適正水準の目安とされますが、当時の伊藤園は109.8倍に達していました。明らかに「買われ過ぎ」とみられる水準でした。
では、なぜ当時の伊藤園株はそこまで買われていたのでしょうか。
背景にあったのは、コロナ禍で評価された「業績の安定感」と「新たな需要への対応力」です。外出自粛によって在宅時間が増える中、急須で淹(い)れる茶葉や、ティーバッグ、インスタント製品の販売が伸びました。
特に、自宅でお茶を楽しむ習慣が若年層にも広がり、飲料業界全体が苦戦する中で、伊藤園のリーフ事業が収益を支える存在となりました。
また、コロナ禍では、食品や日用品、電力・ガスといった生活必需分野の「ディフェンシブ銘柄」に資金が集まる傾向がありました。伊藤園もその一角として、「内食需要」や健康志向の高まりへの期待から、株価が大きく上昇したとみられます。
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