制度を整えたところで、機能するかどうかは、受け手が「当事者」になれるかどうかにかかっている。しかし現状では、評価や研修の仕組みが充実している企業ほど、社員間の活用レベルの差を強く感じているという逆説がある。
桜井氏は「社員1人1人が『なぜAIを使うのか』『自分の仕事やキャリアにどう結びつくのか』を理解し、主体的に試せる状態が必要だ。納得感や主体性が生まれる動機づけまで含めて設計することが、二極化を防ぐカギになる」と語る。制度があっても、その意味が腹落ちしなければ形骸化しかねない。
専任部署の設置や大規模コンテストは、資金力があってこその施策でもある。中小企業にとっては、博報堂DYのメンタリングのように少人数のペアワークで始められる相互学習や、現場で得られた学びを横展開する仕組みのほうが、現実的な打ち手になるかもしれない。
問われているのは、制度の有無ではなく、「なぜ使うのか」に企業がどこまで答えられるかだ。その説得力が、二極化の行方を左右する。
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