三菱地所の2026年3月期決算は、営業利益は3297億円(前年度比+204億円)、当期純利益は2225億円(前年度比+331億円)と、ともに過去最高を記録した。
2027年3月期の見通しでは営業利益3700億円、当期純利益2350億円とさらなる最高益更新を見込む。同社の好調をけん引するのが丸の内事業と国内分譲マンション事業だ。
三菱地所のお膝元である丸の内エリアの空室率は0.55%(2026年3月末時点)と、実質的に「空室がない」に等しい状況だ。同エリアは賃料の増額改定を実施している。執行役常務の梅田直樹氏は「1年前は5〜10%程度の増額だったが、直近では5〜20%の上昇となっており、特に20%に近いケースが増えている」と話す。
賃料の増額改定に対し、テナント側は管理コストや建築費の高騰、世の中のインフレ傾向を背景に一定の理解を示し「多くが賃料引き上げに合意している」(梅田氏)という。梅田氏は「価格上昇が受け入れられやすくなってきた」と話す。
国内の分譲マンション事業も好調に推移している。粗利率が37%という高い水準で推移している理由について、梅田氏は「コストを削って利益率を上げているわけではない」と説明する。
都心の好立地物件において、同社は「上質なものを作って、高く売る」(梅田氏)ことを徹底している。あえてコストをかけて質の高いものを作ることで、高い販売価格を実現しているのだ。
堅調な丸の内事業と並び、同社の成長エンジンとして挙げられるのが、海外事業だ。オーストラリアでの高級住宅やオフィス開発、米国での物流施設やデータセンターへの積極投資が実を結びつつある。
国内では、基幹物流施設や、大人数で来日するインバウンド向けに、1部屋に4人で泊まれるような部屋を主流にしたホテルアパートメントホテル事業への積極的な投資を実施。梅田氏によると「今後、数年をめどに、次なる成長エンジンになる事業として期待できる」という。
一方で、中東情勢による影響も懸念される。梅田氏は「現時点で直接的な被害やマンション引き渡しの遅延といった報告はない」と話したものの、最悪のシナリオを想定しながら注視していく構えだ。
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