“半導体不足”の収束時期が見通せない。旺盛なAI需要を支えるため、AI処理に必要な高性能半導体の供給が逼迫(ひっぱく)している。その余波が、自動車や家電製品、PCなどにも広がっている。
「“半導体の枯渇”は、半導体に関連する事業の全てに影響している」――デル・テクノロジーズの松原大氏(コンサルタント)は、5月29日の新PC製品発表会でこう説明した。同社もPC展開の戦略で対応を迫られた。
同氏は、この状況を“単なる半導体不足”と捉えるのではなく、チップメーカーの提供戦略を踏まえた“より正しい見方”があると指摘する。ハードウェアメーカーの立場から見た現状と、この難局への対応策について松原氏が語った。
松原氏は、半導体の枯渇を認めた上で「チップメーカー各社がフォーカスを絞っていると考えるのが正しいのではないか。各社が得意とするもの、需要が高いものに集中している。ラインアップを絞った提供が主流になっている」と述べた。
「あらゆる領域で半導体が全くない」というわけでなく、メーカー各社がAIやデータセンター、エンタープライズ向け高性能半導体の生産・出荷に軸足を置いた結果、PC用など一部の領域で需要を賄いきれないというのが実情のようだ。
デル・テクノロジーズも半導体不足のあおりを受けている。同社は5月29日、エントリー向けPCの新モデル「Dell 15」(D15265)を発売した。米AMD(Advanced Micro Devices)のCPU(中央処理装置)「AMD Ryzen 7 160」を採用している。本来であれば性能が異なる複数のCPU搭載モデルを用意し、ユーザーが選択できるようにするが、今回はRyzen 7 160に限定した。
松原氏は「CPUの供給状況が厳しい中、ランクに応じてCPUを選んでいる」として「(CPUメーカーの供給ラインアップに合わせて)当社の製品をうまく使い分けて、価格に見合ったPCを展開する。(中略)当社は製品の種類が多いため、うまく活用して顧客が損をしないような製品展開を検討する」と話した。
「この状況がしばらく続くと考えられるため、PCメーカーとして柔軟に対応したい」(松原氏)
同社は5月29日、Dell 15(D15265)に加えて、中級モデル「Dell 14S」(DS14265)「Dell 16S」(DS16265)も発売した。両モデルともAMDのCPUを搭載し、PC内部でのAI処理に対応した性能があることを示すPCカテゴリー「Copilot+ PC」に位置付けられる。PCを巡っても引き続きAI機能が話題の中心になりそうだ。
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