好発進「大井町トラックス」は何がウケた? 地域住民が歓迎した施設づくりの裏側長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)

» 2026年06月04日 16時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

「広域品川圏」の実現はまだまだ先か

 対する大井町トラックスは、元々繁華街があった場所の駅を隔てた反対側に、大規模な再開発施設ができた。繁華街の拡張と言って良いだろう。これだけの施設ができたのだから、元からあった商店街や飲食街は影響を受けて大変だろうと思ったが、大井町トラックスに出店している地元の店からは「元の繁華街にある店の売り上げも伸びた」といった声が聞かれた。

 大井町トラックスは大井町の人の流れに変化をもたらすだろうが、今のところは街全体の活性化、来街者増加に寄与していると言える。運営会社としても、大井町トラックスのみが栄え、元からあった2つのアトレで閑古鳥が泣いてしまっては何の意味もない。街全体の回遊性を高めて、大井町全体の発展にいかに貢献するか。品川区役所とタッグを組んだまちづくりの行方に注目が集まる。

 JR東日本では、浜松町から大井町までの5駅(浜松町、田町、高輪ゲートウェイ、品川、大井町)を「広域品川圏」と称している。リニア開通に向け、羽田空港、竹芝桟橋と、陸空海の交通の便がそろった、新しいライフスタイルを提供する考えだ。

 しかし、今のところ、5駅の駅前の個々の街は、他の街に関係なく発展してきたので、一体感を何も感じない。港区と品川区の区境をまたいだ連携策を実現するのも大変だ。まずは、現実的に大井町トラックス、高輪ゲートウェイシティそれぞれで個別の成功を目指してほしい。広域品川圏の成否はその先にある。

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR