米国は「スタバ離れ」が深刻なのに、なぜ日本では好調? ドトールやコメダにはない強さとは(1/5 ページ)

» 2026年06月22日 05時30分 公開
[山口伸ITmedia]

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著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 米スターバックスが日本事業の売却を検討していることが明らかとなった。近年の物価高で節約志向が高まる中、米国では低価格のコーヒーを提供する競合チェーンに客が流れ、消費者の「スタバ離れ」が進んだ。人件費や原材料費の高騰、リストラ費用がかさみ、手元資金が急速に減少。経営立て直しの原資が必要になったとみられる。一部報道によると、売却額は最大5000億円になる見込みだ。

米スターバックスが日本事業の売却を検討している(出所:ゲッティイメージズ、以下同)

 一方、日本のスタバは好調だ。1996年の日本上陸から30年を経てもブランドは健在で、家でも職場でもない「第3の場所(サードプレイス)」としての機能を果たしている。店舗数は2000店舗を超え、業界トップだ。

 競合のドトールコーヒーショップ1号店は、スタバより16年早い1980年に誕生したが、現在は1000店舗台で足踏みしている。ロードサイドが強みのコメダ珈琲店もドトールと同規模だ。1997年に日本へ進出したタリーズコーヒーは約850店舗だ。

 スタバ、ドトール、コメダ、タリーズの国内コーヒーチェーン4社の特徴を比べながら、日本のスタバが好調な背景を解説していく。

喫茶店が減少する中で店舗を増やした「ドトール」

 全日本コーヒー協会の資料によると、国内喫茶店の事業所数は1981年の15万4630店をピークに減少へ転じた。1999年頃には10万店を下回り、2020年代には6万店以下となった。喫茶店は飲食店としても機能していたため、ファストフード店やファミレスの影響を受けたと思われる。

国内喫茶店が減少

 喫茶店が減少する中、店舗数を増やしたのが1980年に原宿で1号店を構えたドトールだ。昔ながらの喫茶店は店員が席に来て注文を取るフルサービス型なのに対し、ドトールは客がカウンターでコーヒーを買うセルフ式で店舗を展開した。1980年代後半からFCを中心に展開し、店舗数は1996年に500店舗を超え、2004年に1000店舗を達成した。

 ドトールが拡大できた理由は安さに他ならない。1980年代当時、コーヒー1杯の価格は300円台が相場だったが、ドトールでは創業から1991年まで150円で販売していた。セルフ式で人件費を削減し、テークアウト客も取り込むことで、低価格での提供に成功した。

 現在は「ブレンドコーヒー」のMサイズを330円で提供しており、大手4社の中では比較的安い。しかし、低価格であるが故に出店できる立地が限られ、店舗数の拡大は鈍化している。コロナ禍移行は縮小傾向にあり、5月末時点で1074店舗を展開している。

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