こうしたSSDの高性能化や大容量化を支えるのが、同社が2007年に発表した独自技術「3次元フラッシュメモリ『BiCS FLASH』」だ。
これまでフラッシュメモリの容量を増やすには、チップ面に極小のメモリセルを並べる「微細化」が主流だった。しかし「意図しない電流が流れる」などのトラブルが生じ、微細化は限界を迎えていた。
キオクシアHDは、平面状に並べたメモリセルを垂直に積み上げるBiCS FLASH技術を開発。同社が主力と位置付ける「第8世代BiCS FLASH」は218層になる。フラッシュメモリ業界は高積層化を競って約400層を目指している。一方で、積み上げ過ぎると消費電力量が増加するため、キオクシアHDは性能と電力効率を両立させる332層の「第10世代BiCS FLASH」を開発中だ。
NAND型フラッシュメモリの需要増加は今後も続く見通しだ。キオクシアHDの予測では、出荷するメモリのデータ総容量「ビット伸長率」が右肩上がりに増えるという。データセンター向け製品における2028年度までのCAGR(年平均成長率)は46%に上る。AI推論用に限るとCAGRは86%に達する見込みで、同社は「成長の起爆剤」と表現する。
急速な需要拡大によってNAND型フラッシュメモリの供給が逼迫(ひっぱく)したことを受け、販売単価が上がったこともキオクシアHDの利益を押し上げた。同社によると、2026年の市場規模は、金額ベースで2025年の約4倍になるという。
AI時代に躍進を遂げたキオクシアHDは、さらなる成長を目指して研究開発や製造力強化への投資も継続している。今後も株式市場の注目を集めることになりそうだ。
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