AI需要を追い風に躍進を続ける、半導体メモリ大手のキオクシアホールディングス。2026年3月期の業績は売上収益が2兆3376億円、営業利益が8704億円と大幅な増収増益を記録した。
AI向け半導体メモリの主力である「NAND型フラッシュメモリ」を発明したにもかかわらず、当社はシェア1位ではない──好調な業績とは裏腹に、太田裕雄社長は悔しさをにじませる。同社は、東芝のメモリ事業をルーツに持つ。東芝出身の太田社長は「あと何年かかるか分からないが、シェア1位を取り返し『ストレージ イズ キオクシア』にしたい」と意欲を見せた。
シェア1位奪取を見据える同社の経営陣が、今後の市況や競合との競争について、6月25日の株主総会で見解を語った。
太田社長: AIの中でも、特に推論AIの需要が非常に高まっており、ハイパースケーラーなどの顧客から長期的な供給契約(LTA)の要望を数多く受けている。そのため、現在はまだ右肩上がりの上昇気流にあるとみている。
太田社長: AI需要だけでなく、PCやスマートフォンの市場動向など全体のバランスを見ながら、生産計画を調整する。市場の年平均成長率(CAGR)にしっかり追従する生産計画を立てる一方、当社自身が需給バランスを壊すような過剰な投資は行わない。
また、今後は容量や高速性に加え「低消費電力」が重要になると考えている。電力効率の向上にフォーカスした製品開発を進めていく。
執行役員 技術統括責任者 宮島秀史氏: 極めて低温の環境でメモリが動作することは実証済みだが、量子コンピュータが求めるメモリの要件がまだ明確ではないため、現在は検討段階だ。
宇宙のデータセンターについては、幾つか課題はあるものの大きなポテンシャルがあると認識しており、米国の各社と議論を進めている。
常務執行役員(人事総務部長)沖代恭太氏: 海外企業とは処遇水準の構成が異なるため、賃金への配分変更などの工夫をしている。目標管理を通じたやりがいの維持や、65歳までの定年延長などで引き抜きを防いでいる。
また、最近は新卒の内定承諾率がかなり向上している。2027年度の応募者数は去年の3倍以上となっており、人材の補強も進んでいる。
河村芳彦副社長(財務統括責任者): 2027年度初め(4〜6月頃)を予定して準備を進めている。資本調達の1〜2割を米国で行うイメージだ。
太田社長: 「NAND型フラッシュメモリ」を発明したにもかかわらず、当社はシェア1位ではない。現在は韓国メーカーがトップのポジションにいるが、競争力のある製品を開発し、ナンバーワンのポジションを取り返したいと考えている。技術開発力を高め「ストレージ イズ キオクシア」と言っていただけるような会社にしていきたい。
【解説】キオクシアなぜ急成長? 半導体メモリって何? AIブームを見通すための基礎知識
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株価30倍・時価総額3位のキオクシア、「スーパーサイクル」突入へ 成長戦略どう描く?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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