JR北海道、5路線廃線の先に残る「赤字ローカル8路線」 誰が支えるのか(1/3 ページ)

» 2026年07月01日 07時30分 公開
[土屋武之ITmedia]

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 JR北海道では、利用者の少ないローカル線の廃止が相次いでいる。2026年3月31日には、留萌本線の深川〜石狩沼田間(深川市〜沼田町)が営業を終えた。かつては石炭や水産物を運んでいた重要な路線だったが、これで留萌本線は全線が廃止された。

 JR北海道は、「輸送密度(1キロ当たりの1日の平均利用者数)」が200人未満の5線区について、原則として鉄道を廃止し、バスへ転換する方針を打ち出している。

 この方針に基づき、地元自治体との協議を経て、2019年には石勝線夕張支線(夕張市内)、2020年には札沼線北海道医療大学〜新十津川間(当別町〜新十津川町)、2021年には日高本線鵡川〜様似間(むかわ町〜様似町)、2024年には根室本線富良野〜新得間(富良野市〜新得町)がそれぞれ廃止された。

 そして今回の留萌本線を最後に、対象となっていた5線区は全て姿を消した。なお、日高本線と根室本線は、大規模な自然災害で長期間運休した末に廃止が決まった路線でもある。

廃止された夕張支線の列車と夕張駅(画像:筆者撮影)

 かつて国鉄時代には、1981年に「特定地方交通線」の選定が始まり、北海道でも多くのローカル線が廃止された。当時は、輸送密度4000人未満が廃止の目安だった。それと比べると、現在JR北海道が廃止対象としている基準は200人未満であり、この約半世紀で地方路線の利用がどれほど減ったかが分かる。

 一方、輸送密度が200人以上2000人未満の8線区(下表)については、鉄道を存続するための方策を地元自治体と協議している。JR北海道は2026年4月に「黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考え」を公表し、今後も鉄道存続に向けた協議を進める方針を示した。

該当する8線区の輸送密度(画像:「黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考え」を基に筆者作成)

 こうした協議が必要となっている背景には、多くの路線で運賃収入だけでは鉄道を維持できないという現実がある。路線や駅、車両の維持管理費に加え、固定資産税や除雪費などの負担が重くのしかかる。そのため、JR北海道はこうした費用に対する公的支援が欠かせないとしている。

 その選択肢の一つが「上下分離方式」だ。線路や駅といった設備は自治体などが保有・管理し、災害復旧も含めた維持費を負担する。一方、JR北海道は列車の運行を担い、設備の使用料を支払う仕組みである。

 上下分離方式は、すでに全国のローカル鉄道では広く採用されている。例えば、福島県内を走る只見線が該当する。会津川口〜只見間(金山町〜只見町)では、水害からの復旧に合わせて県が線路などの施設を保有・管理し、JR東日本が列車を運行する体制へ移行した。

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