そこに対抗して選んだのが「象」と言われています。象は家族愛が強く、知性的で、アジアでは神聖で力強い動物として親しまれていました。また、鼻が長い象の姿は、温かいお湯を注ぐポットのイメージにも重なります。この「誰からも愛され、温もりのある家族のシンボル」という選択こそが、後の象印のブランドイメージを決定づけました。
当時は、魔法瓶は国内の需要はほとんどありませんでした。というのも、日本は水に恵まれており、量が豊富であるだけでなく生水でそのまま飲めるという環境下にあるため、わざわざ魔法瓶に入れて保管する必要がなかったからです。
そのため、製品の9割は、中国や東南アジア、インドなどに輸出されていました。これらの国では、良質の水は得られず、生水は不衛生で一度沸かさなければ飲めないので、どうしても沸かしたお湯を保存する必要がありました。そのため、魔法瓶が欠かせなかったのです。
象のマークは輸出先のアジア諸国でも好評で、業績を伸ばしていきました。ちなみに、現在の象印のマークは可愛いらしいイラストになっていますが、初期のころはかなり写実的な象のイラストでした。時代と共に親しまれ方も変わってきています。
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