「上司の好みで昇進」「ゴルフや飲み会でコミュニケーション」──会社をむしばむ“おっさんずクラブ”の正体(2/2 ページ)

» 2026年07月31日 06時00分 公開
[濱川太一ITmedia]
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なぜ多くの人は“残念な上司”になってしまうのか 構造的問題

 OBNに基づく閉鎖性は、短期的には組織にも個人にも合理的に映る側面があるという。閉鎖性が高い組織では、意思決定の速さや安定性というメリットも見られると砂川氏は指摘する。「似たタイプの社員が多いため、マネジメントしやすく、統制がとりやすい」といった傾向があるためだという。

 それゆえ、個人も評価や昇進を意識する中で、本音を抑え、権力者の意向に合わせた行動を取るようになる。その結果、ジェンダー役割規範や変化への抵抗、長時間コミットを前提とした組織規範が維持され、閉鎖性が再生産される構造があるという。

旧知の男性を中心に形成された閉鎖的な人間関係や慣習、組織文化「オールド・ボーイズ・ネットワーク」がなくならない、根深い理由(写真はイメージ、ゲッティイメージズ)

カギは「誰を増やすか」ではなく「誰に機会を開くか」

 こうした状況を打開するために、企業は何を変えるべきなのか。

 砂川氏は「重要なのは『誰を増やすか』だけではなく『誰に機会が開かれているか』」だと強調する。具体的には、以下のような項目を挙げる。

  • 情報アクセスの非独占化(一部の人だけでなく全体に共有する)
  • 意思を示す機会を開く(異動・配置で本人の意向を考慮するなど)
  • 評価、機会配分の偏りの是正(成果や能力に応じた評価、昇進を徹底する)

 「開かれた機会設計」は先進企業の取り組みが参考になるという。例えば、メルカリでは「Slack利用ガイドライン」を公開しており、人事情報などを除き情報をオープンに扱う考えを示している。米Microsoftでは「Employee Signals」という取り組みを通じて、社員の声を継続的に収集し、組織運営の改善に活用しているほか、富士通は経営層との「タウンホールミーティング」を実施し、社員が意見を表明しやすい環境づくりを進めている。

 「女性活躍の文脈で語られることが多かったOBNだが、その背後にある閉鎖性は、情報共有や意思決定、人材活用など、組織運営そのものに関わる問題として捉える必要がある」(砂川氏)

 おっさんずクラブ、いや、OBNがはらむ閉鎖性は、多くの職場に潜んでいるかもしれない。早急な対策が求められている。

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