2025年、世界最大級のデザイン賞「iF デザインアワード」において、自社開発の掃除道具シリーズ「BRUSHUP」が最高賞の金賞を受賞した。
友安社長はこの受賞を、長年培ってきた製造の力はもちろん、マーケティングや広報活動も含めた組織力によるものだと話す。
「日本の製造業には、世界に誇れる素晴らしい技術を持つ会社がたくさんあります。しかし、その多くが『売り方』や『情報発信の仕方』を知らないがために埋もれてしまっています」
一度製造業を離れ、ECで売ることに特化した自分たちだからこそ、日本の製造業に貢献できることがあるのではないか――そう考え、友安社長は地域一体型のオープンファクトリーイベント「FactorISM」(ファクトリズム)の実行委員長を務めるなど、自社にとどまらない活動を積極的に進めている。
ファクトリズムは、参画企業が特定の日に工場を一般開放するイベントだ。現在は100社以上が参画している。
「オープンファクトリーを勧めると、多くの企業が『うちの工場は見ても面白くないから……』と言います。でも、来場者は『すごい!』と楽しそうに見学している。それを見ると工場で働く職人も、自分の仕事に誇りを持てるようになります」
また、見学者にとっても、自分たちが日々「かっこいい」「かわいい」「便利だ」と思っている“もの”が、どのように生まれているかを知ることは、製造業への見方を変えるきっかけになるのではないかと話す。
友安社長は、すでに次の未来を見据えている。
国による保護制度が手厚い「伝統工芸」に対し、地域経済を支える一般的な「工業」には限られた公的支援制度しかない。技術が廃れることを防ぐため、同社は2026年11月、ものづくり企業を対象とした新しいサービスを開始する予定だ。
「工芸は助けてもらえるけど、工業は誰も助けてくれない。ならば自分たちで変革するしかない。個の力には限界があります。しかし『集の力』になれば、状況は変えられます。売る力を持つ僕らが基盤を作ることで、全国のものづくり企業のよりどころになれればと考えています」
一度は製造業を離れ、泥臭く「売る力」を磨き上げた友安製作所。その歩みは、自社の成功にとどまらない。「作る力」と「売る力」を結び付けることが、日本のものづくりの新たな可能性を切り開くヒントになるのかもしれない。
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