ラッコはまったくの新設計であるにもかかわらず、これだけの開発スピードと商品力を備えることができたのは、もちろん技術力の高さや社員の懸命な努力によるものだが、それだけではない。
今回、日産で軽自動車の開発を行っていた田川博英氏が開発主査となって開発を主導した。BYDにとっては初の軽自動車開発とはいえ、田川氏のノウハウが大いに役立っていることは間違いない。
BYDラッコの電動プラットフォーム。同社自慢のブレードバッテリーを使用し、独自のプラットフォームを構築。その電池性能とマネジメント能力には文句の付け所はないが、根幹となる部品の品質にはいまひとつ不安が残る(写真:BYD)田川氏は、ほとんど開発が終わった段階から参加し、最終的な仕上げと装備面の仕様を担当したという情報もあるが、その程度であれば元日産の開発主査をわざわざ招く必要があるだろうか。
また開発スピードと商品スペックについては素晴らしいが、部品を供給するサプライヤーは従来と同じであろうから、部品の品質が極端に向上しているとは思えない。
BYDはパーツサプライヤーに対し、高品質を要求する一方で支払いを引き延ばし、独自の仮想通貨を利用させるなど、綱渡りの経営を続けている。そんな状況ではサプライヤーにコストダウンは要求できても、不良品率を引き下げさせることは難しいだろう。
同じ中国製でも、日本企業などが品質管理して出荷している製品と、品質管理をサプライヤー任せにしている製品では、不良品率はまるで異なるのだ。
したがってラッコの商品力は素晴らしいが、個体差が大きいのではないかという印象は拭えない。そう考えるには根拠がある。
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