とはいえ、若者の流出は企業だけで解決できる問題でもない。それでも、工夫の余地はありそうだ。
例えば、退職金制度を見直し、若いうちの給与を手厚くする企業も出始めている。製紙大手の王子ホールディングスは、2026年春以降の入社者を対象に退職一時金を廃止し、その分を毎月の給与に振り向ける制度を導入する。
ひろぎんHDの木下さんも、「退職金を現役時代の給与へ振り向ける方法もあるのではないか」と話していた。
もちろん、若者の流出は企業だけの問題ではない。少子化で、以前より都市部の大学へ進学しやすくなったこと。ひと昔前のように「長男なんだから地元へ帰ってきなさい」と言われることが少なくなったこと。働き方も価値観も、この20〜30年でずいぶん変わった。
そんないくつもの変化が重なって、若者は地域に縛られず、自分が働きたい場所を選ぶ時代になった。だから、「これさえやれば解決」という特効薬は、たぶんない。
それでも今回の分析は、「若者は何を求めているのか」を感覚ではなく、データで見せてくれた。給料だけではなく、成長できる環境や評価の仕組み、そして求人の伝え方。少しずつでも変えられることは、意外とありそうだ。
もしかすると、若者が広島に戻るきっかけは、「給料を5万円上げること」ではなく、「この会社、なんだか面白そう」と思える求人の一文なのかもしれない。
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