最近、書店で本を買ったのはいつだろうか。ECサイトで手軽に購入できるようになり、書店に足を運ぶ機会が遠のいている人も多いだろう。そもそも「紙の本ではなく、電子書籍で読む」という人も増えた。
今、書店の経営が厳しい状況に置かれている。 帝国データバンクの調査によると、2025年度の書店の市場規模は、ホビーなど非書籍事業の売り上げが拡大したことから、1兆円台を維持する見通しだ。しかし、10年前の2015年度(約1兆4000億円)から約2割縮小しており、このペースが続けば数年以内に1兆円を下回る可能性もあるという。
業績動向を見ると、2025年度に前年度から「増収」となった書店の割合は13.8%と、コロナ禍以降で最も低かった。「前年度並み」(58.9%)が過去20年で最高だった。「減収」(27.3%)は5年ぶりに増加し、書店の売り上げは頭打ち感が強まっている。
損益動向では「減益」が31.0%、「赤字」が38.7%となり、赤字と減益を合わせた「業績悪化」の割合は69.7%だった。
書店の市場退出は高水準で推移している。2016年度以降、倒産や休廃業によって市場から退出した書店は累計610社に上った。日本出版インフラセンター(東京都千代田)によると、全国の書店数は2025年度末時点で9993店で、1万店の大台を割り込むなど、市場の縮小が続いている。
こうした中、大手書店を中心に、書籍販売の粗利益率30%を目指す制度改革の動きも見られる。ただ、足元では中小書店を中心に売れない単行本や雑誌の棚を縮小し、1坪当たりの収益性が極めて高いホビー領域への参入といった「非書籍ビジネス」への転換が進んでいる。
実店舗で紙の本を売るビジネスモデルが岐路に立たされている中、帝国データバンクは「地域に書店が存在し続けるためには国や行政など外部からの支援とともに、従前からの書店の枠を超えた店舗作りを視野に入れる時期に来ている」とコメントした。
調査は書籍・雑誌小売業を対象に実施した。業績などのデータは、2026年6月時点における帝国データバンクが保有する企業概要ファイル、および企業信用調査報告書、外部情報などを基に集計した。なお、2025年度の業績数値は一部推定・予想値を含む。
紀伊國屋書店はなぜ「本が売れない時代」に独り勝ちできたのか? 5期連続増収増益を支える戦略
“コンビニ書店化”はなぜ広がらなかったのか 本を売るほど「本離れ」が進む理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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