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なぜメルカリの「AIフル活用広告」は成果が出たのか "質の低い広告枠"に追いやられないための「2つのアクション」AIで激変する「広告運用」(2/2 ページ)

» 2026年08月19日 06時00分 公開
[野本纏花ITmedia]
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AIネイティブ時代だからこそ人間がやるべき2つのこと

 AIネイティブ時代の広告運用において、人間にとって魅力的なコンテンツを提供する他に、もう一つ大切な視点がある。それは「メディア側のAIに、いかに正しく賢い学習をさせるか」というものだ。

 「広告の配信調整やターゲティングなどの作業は、すでに人間では到底処理しきれないほど膨大な量のデータをもとに、AIが最適化を図っています。もっとAIを信じて、任せたほうがいい」としたうえで、石渡氏はAIのパフォーマンスを高めるために人間がやるべきこととして、次の2つを挙げた。

1.自社の「ユーザーの行動履歴」(データ)を漏れなくメディア側のAIへ送り返す

 運用型広告では、ユーザーがアプリやWebサイトを訪れた後の行動履歴をメディアへ送り返すことで、AIが「どのようなユーザーをこの広告主の広告に当てると成果が出やすいのか」を学習していく。

 しかし、具体的にどのようなデータをメディア側のAIに渡せているのかを正しく把握できていないと、本来届けるはずのデータが届かず、結果として広告配信の精度が下がり、パフォーマンスの悪化にもつながりかねない。

 メディア側のAIに、自社の広告の価値を正しく評価させ、質の高い最適化をさせるには、データの流れをしっかりと理解し、漏れなく全量のデータを渡すためのデータ設計にすることが重要だ。

2.広告運用の成果「コンバージョン」と、事業が達成すべきゴール「KGI」を正しく接続

 とはいえ、自社の保有する全てのデータをメディアに返すのは現実的に不可能なため、AIに広告の成果として学習させるコンバージョンをどう定義するかも、重要なポイントだ。

 その際「このコンバージョンが増えれば、事業のKGI(売り上げ・利益率など)に近づける」という明確な因果関係が求められる。

 また「アプリインストール後、24時間以内の初回購入」や「広告をクリックしてから1時間以内の商品購入」など、短期間で結果が分かるものをコンバージョンに設定することも大切だ。仮に「ユーザーの年間総購入額」(LTV)や「1年後の退会率」など、結果が出るまでに長い期間がかかる指標をコンバージョンにしてしまうと、“今どの広告を出すべきか”をリアルタイムで判断しているAIの学習に役立てられないからである。

 こうしてCVRやCTRを高める運用を極めても「許容できるCPA」(1件あたりの獲得コスト)の上限が低ければ、競合との“良い広告枠”の奪い合いに勝ち続けることは難しい。

 「最終的には、プロダクトの改善や価格設定、マネタイズ構造そのものにまでマーケターが踏み込み、事業全体の許容できるCPAを引き上げていく必要があるだろう」と両氏は語り、セッションを締めくくった。

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