仕事ができる人は「途中で帰る」 翌朝すぐ仕事に入れる意外な習慣世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか(1/4 ページ)

» 2026年08月20日 08時00分 公開
[越川慎司ITmedia]

この記事は、書籍『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか 年収が上がる帰宅後の過ごし方 』(越川慎司/クロスメディア・パブリッシング)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。


 世界の一流は、仕事をすべて完了させてから帰路につくのではなく、あえて仕事を終わらせずに帰宅します。これは決して手を抜いているわけではなく、自ら仕事の区切りを設けて、意図的に「途中」で作業を中断しているのです。

 弊社が2019年に行った約1万2000人を対象にした行動分析では、日本におけるハイパフォーマー(人事評価で上位20%に入る人たち)の約7割が、「タスクをすべて終えないまま」退社していました。逆に、下位層ほど「全部終えてから帰る」傾向が強かったのです。

 「仕事ができる人ほどやり残しを作る」という事実は、一見すると矛盾しているように感じられるかもしれません。一流は、なぜあえて仕事を途中で止めるのでしょうか? 多くの人は、タスクが終わったことや、これ以上は無理だと感じるほどの疲労を基準にして、その日の仕事を切り上げています。

 しかし、これらは仕事の状況や自身の体調に振り回されている状態であり、自律的な判断に基づいた帰宅とは言えません。

(出典:ゲッティイメージズ)

 一方で一流のビジネスパーソンは、仕事の進ちょくや疲労度に関わらず、あらかじめ自分で決めた時刻になったことを理由に自律的に退社します。この基準を徹底しているからこそ、彼らは早く帰ることができています。

 あえて仕事を終わらせずに職場を後にするのは、早く帰るためだけではありません。作業を途中で止めることで、翌朝に迷うことなくすぐ業務に取りかかる仕組みを整えているのです。すべての作業を完了させてから退社すると、翌朝はゼロの状態から始動しなければなりません。

 始業時にまず「何をするか」を考える工程が生じ、朝の貴重な時間が削られてしまいます。

 一方で、仕事を途中で止めておけば、翌朝は前日の続きからスムーズに着手できます。作業の流れが頭に残っているため、業務の立ち上がりが圧倒的に速くなるのです。この現象は、心理学において「ツァイガルニク効果」として知られています。

 人間は完了した事柄よりも、未完了の事柄の方を強く記憶に留める性質を持っています。未完成の状態を維持することで、翌朝には自然と続きの作業へと手が伸びるようになります。

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