ZIPAIRはなぜ、家電量販店で「和牛」を売るのか 航空券以外で生む“プラス1席分”の売り上げ(3/3 ページ)

» 2026年08月21日 05時30分 公開
[米倉志保ITmedia]
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「291席目」を生み出す、ZIPAIRの物販戦略

 ZIPAIRはLCC(ローコストキャリア)のため、座席指定や機内食、手荷物などの追加サービスを有料化し、利用者が必要なものだけを選べる仕組みを採用している。物販も、こうした航空券以外の収入を生む重要な手段の一つだ。

 同社の航空機は1便当たり290席。座席数には上限があるため、どれだけ需要があっても1便で販売できるチケットの数には限界がある。一方、物販には座席数という制約がない。

 松尾氏は「和牛が1個売れるというのは“291席目”が売れているのと同じ価値がありますから、こういったリテールを強化するのはとても大事です」と話した。

ビックカメラとの連携の効果は?(提供:ZIPAIR Tokyo)

ビックカメラとの連携で、認知を広げられるか

 AKIBA GOを広げる上で課題となるのが、サービスそのものの認知だ。ZIPAIR便の利用者であれば同社から直接サービスを案内できるが、他社便を利用する訪日客とは接点が少ない。

 そこで目を付けたのが、インバウンド客が多く訪れるビックカメラAKIBAだ。日本のお土産を探す訪日客が集まる場所でサービスを知ってもらうことで、これまで接点のなかった旅行者をAKIBA GOに呼び込む狙いだ。

ビックカメラAKIBAから送客する(出所:ZIPAIR Tokyoプレスリリース)

 取り組み開始から約2カ月がたった。和牛を購入する客の中には購入上限まで買う人もいて、従来はこれほど大量に購入するケースは少なかったという。日本人の利用客も目立った。

 一方、課題も残る。和牛は「日本で食べるもの」というイメージが強く、ブースを見て、その場で和牛を食べられると思う訪日客もいるという。「和牛を海外へ持ち帰れる」ということ自体が、まだ十分に知られていないためだ。

 今後は、サービスの伝え方も工夫していく。ビックカメラ以外との連携も視野に入れており、例えば飲食店と組み、和牛を食べた客に「この商品は海外へ持ち帰れますよ」と案内するといった方法を想定する。

 松尾氏は「ビックカメラは、日本のお土産を買おうとする旅行者に、これまで頭の中になかった和牛を知ってもらえる大きなチャネルだと思っています。まずは、和牛自体をもっと売れるようにしていきたいです」と意気込んだ。

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