2007年に創業したイヤフォン・ヘッドフォン専門ブランドのファイナルも、近年、睡眠用イヤフォンに注力する。ファイナルの前身企業も含めると、同ブランドの歴史は1974年に始まっており、高い音響技術が強みだという。
「レコードの針や高額なオーディオ機器を手がけてきた歴史があり、100万円を超えるヘッドフォンがフラッグシップモデルです。従業員55人のうち10数人が研究員で、研究開発の比率が高い組織です」(ファイナル 国内営業部/広報部 部長 森圭太郎氏)
そんな同社の寝ホンの始まりは、2021年にさかのぼる。といっても、当時発売したのは「COTSUBU for ASMR」(希望小売価格8480円)という製品で、睡眠用ではなく、「ASMR特化」のイヤフォンだ。しかし、知らぬ間に寝ホンとして使われていたのだという。ASMRとは、特定の音や映像から得られる心地よさやゾワゾワする体験を指す。
「同製品に搭載されている『バイノーラル技術』により、まるでその場にいるようなリアルな音を再現しています。当社が初めて同技術を搭載したのが、2019年発売の有線イヤフォン「E500」(希望小売価格1980円)でした。
これが、ASMR愛好家や特定のシチュエーションを音声で楽しむ『シチュエーションボイス』を好む女性層に口コミで広まり、『ワイヤレス化してほしい』という声が多く届きました。そこで、登場したのが『COTSUBU for ASMR』です」(ファイナル 森氏)
E500は低価格も支持され、これまでに50万台を販売したヒットになっている。さらにユーザーの声をヒアリングすると、「寝ながらイヤフォンを使っている」という声が多く聞かれた。「それならば入眠をサポートする製品をつくれば、需要に応えられるのではないか」と考え、入眠時に適した「ZE500 for ASMR」(希望小売価格8980円)を2025年に発売。これが、想定以上のヒットになった。
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