単なる「原価上昇→価格転嫁」では失敗する! “納得感”のある値上げと、客離れを起こす値上げの本質的な違い(3/5 ページ)

» 2026年08月27日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

3商品の「価格差」から学ぶべきこと

 次の図は、天然水、コカ・コーラ、綾鷹について、自動販売機、コンビニ、ドラッグストアの価格をエリア別に並べたものです。

 天然水では大阪の自動販売機140円が高く、福岡のドラッグストア88円が最安でした。コカ・コーラでは大阪と東京の自動販売機が190円、福岡のドラッグストアが89円です。綾鷹で比較すると、最も高いのは東京のコンビニ186円で、安いのは大阪のドラッグストア84円でした。

 この価格差は、地域や業態の違いだけでは説明できません。価格を考える際には、各チャネルや企業が、その商品にどのような役割を持たせているかを見る必要があります。

 飲料を来店や併買を促す集客商品と位置付け、収益を別の商品やカテゴリーで確保する場合は、単品の粗利より価格訴求が優先されます。一方、飲料自体を粗利額確保の主力商品とする場合や、即時性や利便性への対価を得る場合は、単品採算を重視した価格になり得るでしょう。商品ごとの価格順位が変わる背景には、こうした品ぞろえ全体の収益設計も考慮する必要があります。

 企業が見るべきなのは全国平均だけでなく、商品別・商圏別・チャネル別の価格と、併買を含めたカテゴリー全体の粗利額です。ただし、本調査は各業態の代表的な1店舗・販売商品を観測したもので、全国平均や各チェーン全店の価格を示すものではありません。確認できるのは、調査時点の店舗だけでも実際にこれだけの価格差が存在したことです。

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