セブンのアパレル本格参入は、かなり前から検討されていたと筆者は考えている。実際、同じセブン&アイグループだったイトーヨーカ堂は2024年2月、アンドエスティに平場のアパレル事業の販売以外を全面的に委託した。「FOUND GOOD(ファウンドグッド)」を展開し、効果を検証していた。
ファウンドグッドの狙いは、若い顧客層を取り込むことにあった。30代から40代の子育て世代に訴求し、ファミリーでの来店を促すことを目指していた。
アンドエスティは、20代から40代に人気の「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」や「niko and ...(ニコアンド)」などのブランドを展開し、郊外のショッピングセンターのテナントで存在感を発揮している。30代から40代のライフスタイルに合ったアパレル商品や売り場づくりに長けており、大きな期待を背負っての船出だった。
先行してファウンドグッドを展開したのは東京都江東区のイトーヨーカドー木場店だ。展開後(2024年2月26日〜3月24日)と展開前(2023年2月20日〜3月19日)の来店客データを比較すると、30代女性の構成比が19.4%から24.7%に、40代女性が21.3%から24.7%に伸びていた。ファウンドグッドのおかげで、狙っていた年代の構成比が実際に高まったのだ。
食品売り場もファウンドグッドの展開に合わせて、総菜や冷凍食品などを強化。子育て世代向けに、買ってすぐに食べられる商品や、電子レンジで温めるだけで食べられる商品を充実させていた。こうした取り組みの効果もあり、食品の売り上げも7%増えたという。
この成功を受けて、全国のイトーヨーカドー店舗にファウンドグッドを展開。しかし、木場店の成功は例外だったようで、他の店舗では思ったほど成果が出なかった。顧客の高齢化は、想像をはるかに上回るほど進んでいたのである。そして、ファウンドグッドは約2年で幕を閉じた。
一方、セブンの次世代店舗として、従来のコンビニの約1.5倍の売り場面積を持ち、総菜や冷凍食品、生鮮食品などスーパーのノウハウを取り入れた「SIPストア」でも、ファウンドグッドの商品を展開していた。
つまり、セブンのアパレルへの本格参入前から、関連企業で効果を検証していたのである。
ファミマ「コンビニエンスウェア」初の専門店、2800万足売れたソックスも登場
ファミマ、1998円「腕時計」発売 アパレル売上200億→300億円目指すCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング