では、自社のサービスが顧客にどのように役立っているのかを、いかに判断するのか。これを明らかにするものとして山田氏は「成果創出チェーン」という考え方を提示する。
企業が最終的に求める成果は、売り上げアップやコストダウンとなることが多い。ただし、1つのプロダクトやサービスだけで最終成果の全てを直接生み出せるケースは少ない。そこで、成果につながる複数の要素のうち、自社サービスがどの部分に貢献できるのかを明確にする。
「『私たちのプロダクトやサービスは、直接売り上げアップやコストダウンをすることはできないけれど、成果創出チェーンの中のこの部分だけは数字を確実に上げられます。または下げられます。それが私たちのプロダクトやサービスです』というのがCSの伝え方だ」
山田氏によると、BtoBサービスの場合、典型的なアウトカムは1つのプロダクトにつき5個程度。そのうち3個で約8割の顧客ニーズをカバーできるケースがあるという。
顧客が求める代表的な成果を特定することが、CSを組み立てる出発点になると山田氏は指摘する。
CSによって得られるものとして、山田氏は、
――の3つを挙げる。
顧客の成果創出を支援して継続利用につなげ、さらに追加の商品・サービスを提供することで、既存顧客からの収益を伸ばしていく。
CSを「解約率を下げるための活動」に限定せず、既存顧客からの売り上げを伸ばす仕組みとして捉えることが重要だという。
CSを実践する具体的な活動として、山田氏はCSツールを手がける米Gainsight社が提唱する「カスタマーサクセスELEMENTS」を紹介した。顧客データの可視化(Cv:Customer View)、ライフサイクル管理(Lm:Lifecycle Management)――など、16の活動から構成される。
「カスタマーサクセスは実は、データドリブンな考え方です」
既存顧客には契約後の利用状況など、新規顧客にはない情報が蓄積されている。そのデータを基に顧客のライフサイクルを把握し、顧客ごとに必要な支援を組み立てる。
また、顧客を一律に支援するのではなく、契約規模などに応じてセグメントを分けることも重要だという。売り上げ規模の大きい顧客には担当者をつける、一定の顧客群はチームで支援する――など、顧客規模に応じて支援方法を変える。
事業規模が拡大すれば、CS担当者を支援するオペレーションやカスタマーマーケティング、テクニカルサポートなどの組織も必要になる。
「CS組織は事業フェーズにおいて定期的に見直す必要がある。顧客やプロダクトが増えてきた段階で、定期的な見直しをするのが大事」
顧客の成功を収益につなげるには、サービスの価値を伝えるとともに、その先にある顧客のアウトカムを明確にすることが出発点となる。顧客データを活用して支援の仕組みを整え、顧客数や事業フェーズに応じて組織を見直していくことが、継続的な収益につながると山田氏は強調する。
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