キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
日銀の政策金利は、1.0%まで引き上げられた。それでも3メガバンクの普通預金金利は0.40%で横並びのままだ。その一方で、各行はクレジットカードのポイント還元で預金者を呼び込もうとしている。みずほ銀行が9月7日に打ち出した「年会費無料、上限なしの2%還元」は、対象店舗も預金残高も問わない点で他のメガバンク2行と違う。
還元率そのものが引き上げられたわけではない。みずほ楽天カードの2%還元は、楽天カードの通常ポイント1%にみずほ銀行のみずほポイント1%を上乗せしたもので、この構造自体は従来と同じだ。
今回撤廃されたのは、みずほ付与分に設けられていた「最長1年・上限1万ポイント」という制約である。既存会員も対象で、旧プランで上限に達していた利用者も、9月1日利用分から再び上乗せを受けられる。
みずほ楽天カードの取り扱いが始まったのは2024年12月だ。楽天カードが発行し、みずほ銀行が募集を担う年会費無料のVisaカードとなる。みずほフィナンシャルグループ(FG)は楽天カードに14.99%を出資している。
2025年からみずほポイントの上乗せが始まったものの、期限と上限が付いていた。年間100万円の利用で上限の1万ポイントに達する仕組みで、実質的には1年限りの入会特典にすぎなかった。
「常時2%」という水準の大きさは、他社カードと並べるとよく分かる。条件なしで付く基本還元率は、楽天カード単体で1%、年会費無料カードで高い部類に入るリクルートカードでも1.2%が相場だ。
三井住友カード(NL)や三菱UFJカードの通常還元率は0.5%で、NTTドコモも9月1日、一般のdカードの通常決済の還元率を2027年1月利用分から1%から0.5%へ引き下げると発表した(ゴールド以上は継続)。
それ以上の還元には、年間の利用額や連携口座の預金残高、あるいは特定店舗での決済といった条件が付くことが多い。相場が下がるなかで、通常の対象決済なら利用場所を問わず2%、しかも上限なしという設計は手厚い。
ただし、全ての支払いが2%還元になるわけではない。上乗せを受けるには、引き落とし口座をみずほ銀行の普通預金に指定したうえで、「みずほマイレージクラブ」と「みずほダイレクト」に登録し、さらに「みずほポイントモール」へ一度アクセスして規約に同意する必要がある。また、楽天カード側で還元率が下がる取引は、みずほ分も同じ扱いになる。
例えば、楽天カードは対象の公共料金や税金の支払いを500円につき1ポイント(0.2%)としており、みずほポイントも楽天と同数しか付かないため、こうした支払いでは合わせても0.4%相当にとどまる。楽天カードをすでに2枚持っている利用者は申し込めない。
上乗せ分が楽天ポイントではなく、みずほポイントとして付与される点にも注意がいる。ポイントモールを経由すれば楽天ポイントやPayPayポイントへ1ポイント1円相当で交換できるが、有効期限は付与月から24カ月で、利用するには交換の手間が一つ増える。
さらに、公式の注意事項には「変更・中止の可能性」が明記されている。終了時期を定めない制度に変えたが、条件が変わる余地は残る、と捉えるのが正確だろう。
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