筆者が役員を務める危機管理広報コンサルティング会社のエイレックスでは、企業の危機案件に対してアドバイスする際、常に強調していることがある。それは、不祥事を起こした企業のトップが事態を自分事として受け止め、自分自身の言葉で説明責任を果たすことなくして、社会からの信頼回復はできないということだ。
しかしながら「最も責めを負うべき」(会計不正報告書)とされた永守氏は、会長辞任の際も取締役辞任の際も、広報を通してのメッセージを発したのみで、一切姿を見せようとしない。
本稿執筆中の9月29日、経営再建の指揮をとっていた岸田光哉社長が突如、辞任するというニュースが飛び込んできた。過去の財務報告をめぐって不適切な言動があったとして、社外取締役が中心の取締役会で辞任を迫られたという。9月30日に発表した2026年3月期有価証券報告書は、監査を担当するPwCジャパン監査法人から「監査意見不表明」とされ、上場維持に向けて暗雲が漂っている。
会社は誰のものか? 社会の公器としてニデックの再生を次代に託したいという気持ちがあるのなら、信頼回復に向けて永守氏が果たすべき責任は残っている。誰よりも社員に対する説明責任が残っているはずだ。
永守氏「全員やめてくれや!」――なぜ優良企業は“ブラック企業”に変わるのか 「4つの型」から見るニデック不正
ニデック、岸田社長含む役員交代を検討 大規模な減損も発表か 経営体制の立て直し焦点
「人間のクズ」発言、「意図的な無視」……横浜市長のパワハラ問題から考える組織リスク
24.6万件の個人情報が漏えいか デジタル庁GSSへの不正アクセスで見えた「ゼロトラスト」の落とし穴Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング