――Genesysは日本市場を、グローバル市場と比べてどう見ていますか。
成長市場という点では、日本が当社にとって最も重要な国です。今後も日本への投資を続けます。人材への投資だけでなく、インフラへの投資も続けていきます。現在は東京と大阪にデータセンターを置いています。
政府機関への対応のため、政府情報システムのセキュリティ評価制度「ISMAP」(イスマップ)のクラウドサービスリストへの登録も果たしました。東京と大阪の国内2拠点ともに、政府が求める厳格なセキュリティ基準をクリアしています。
世界中のさまざまな分野で事業は伸びていますが、その中でも日本の伸び率は非常に顕著です。2025年は特に伸びました。当社の投資が報われている証拠だと考えています。
日本の顧客では、オンプレミス(自社で設備を持って運用する形態)からクラウドへ移行する企業が増えています。クラウドへの移行が進むと、クラウド上のサービスにいかにしてAIを組み込むかが課題になります。当社としても、AIの活用は大きく増えているとみています。
――日本企業のAI導入に、独自の傾向はありますか。
当初は業務支援AIや、アシスタント型AIの利用が多く見られました。しかし今は、多くの顧客が、顧客対応を自動で担うAIエージェントの導入を進めようとしています。当社でも、自ら判断して動くAIエージェントの実証を始めたところです。
――Genesysが今後、特にチャンスがあると見ている業界や分野はどこでしょうか。
銀行も証券会社も、コールセンターを持っています。CXを高めて顧客を獲得しようとする競争が激しく、それが今は電力会社にも波及しています。電力会社も大きなコンタクトセンターを持っているからです。
ヘルスケア(医療)の分野にもチャンスがあるとみています。また、政府関係では地方の行政機関もこれから伸びてくる分野と考えています。
以上がインタビュー内容だ。AIが進化し、効率化を追求できるようになればなるほど、最後に顧客の心を動かし、ブランドへの信頼を決定づけるのは「人間の共感力」となる。
コスト削減のための自動化か、それとも人間を守るためのAI活用か。カスハラ対策の義務化という転換点は、企業が「真の顧客体験とは何か」を問い直す機会となりそうだ。
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