――通期業績予想を大幅に上方修正したのは、GPU、CPU、カスタムASIC(特定用途向け集積回路)が大きく伸びているのが理由か。
ラフィーバ氏 コンピューティング市場のあらゆる領域――GPU、CPU、カスタムASICなどで、試験装置に対する高い需要が続いている。
(業績予想を上方修正した)最大の要因は、CPUのビジネスだ。エージェント型AIによってCPU需要がこれほど大きくなるとは、半導体産業全体でも予測できていなかった。(アドバンテストの事業において)GPU、カスタムASICに次ぎ、CPUが第3の成長ドライバーとして業績を後押ししている。
サンジーヴ・モーハン氏(経営執行役員 CCRO) エージェント型AIの後押しによって、AIサーバの需要が大きくなっている。それに伴ってCPUとGPUの比率が変わってきており、CPUが試験装置の需要を押し上げている。
大量のデータを処理する「AIモデルの学習」は、単純な作業を高速でこなすGPUが適している。一方で、テキスト生成などAIモデルを動かす「AIの推論処理」を実行するには、データの処理や推論の前処理・後処理など多数の工程が必要なため、汎用(はんよう)性が高いCPUが向いているとされる。エージェント型AIは多段階の推論を実行するため、CPUの需要が特に拡大している。
――試験装置市場について、アドバンテストは2年先まで見据えている。しかし、4〜5年先まで伸びるのではないか。光電融合技術「CPO」(Co-Packaged Optics)の市場が拡大していく。CPOの製造時に不良品を実装すると全てスクラップになるため、試験に時間をかけるのではないか。
ラフィーバ氏 その通りだ。CPOの場合、試験時間が非常に長くなっている。光学部品の歩留まりを高く維持するためにも、試験が必要だ。これは、われわれにとって追い風になっている。CPO市場は2倍、3倍の速度で成長する。数十億ドル規模の市場になるだろうし、われわれも期待している。
そうはいっても、年率50%で成長しているSoC市場と比べると、CPO市場は小さい。しかし将来的に、非常に大きなビジネスに育つのではないか。
半導体チップではこれまで、電子回路を使った「電気信号」で計算処理していた。しかし半導体チップにデータを伝送する際は、光回路による「光信号」を用いており、電気信号と光信号の変換ロスがあった。また、電気信号よりも光信号の方がエネルギー効率が良い。そこで、半導体チップ内の通信を電気ではなく光にする技術として、光電融合が注目されている。CPOは、電気信号を光信号に変換する光学部品と半導体チップを1つのパッケージに組み込む技術だ。
――現在、メモリ不足が深刻化している。試験装置の製造・出荷に影響はないのか。
ラフィーバ氏 メモリがひっ迫しており、高性能メモリの取り合いになっている。自動車業界でも産業機械業界でも、メモリ不足に悩まされている。われわれも同様の問題を抱えているが、半導体業界として学んだことがある。
半導体メーカーが当社の試験装置を購入するためには、われわれにメモリを供給しなければならないと認識している。2021〜2022年のサプライチェーンで混乱があって部材が不足した時期に、お客さまは「装置メーカーに部材を提供しなければ、結果としてモノづくりができなくなる」と理解した。
メモリの供給不足は確かにあるが、われわれには素晴らしいサプライヤーがついているため、良い状況にある。
――イーロン・マスク氏が、自動運転車や人型ロボット、生成AI「Grok」などで使うAIチップを自前で作る大規模な半導体製造構想「TERAFAB」(テラファブ)を打ち出した。TERAFABは、半導体試験装置の需要を生み出すか。
ラフィーバ氏 個別の顧客について詳細なコメントは控える。一つ言えるのは「これはリアルだ」ということだ。現実のものになりつつあり、もし動き出せば試験装置の供給能力が求められるため、将来的には大きなビジネスに育つのではないか。エキサイティングな高揚感を持って将来を見ている。
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