入社3年目の2023年10月、斉藤さんはマンション販売から人材開発部へ異動し、採用を担当することになった。
採用の仕事では、学生にモデルケースとして紹介する社員を探すため、幅広い部署の人と話をする。人材開発部に異動するまでは、育ててくれたマンション開発部門で上を目指そうと考えていた。しかし、新たな環境に身を置いたことで、業務内容も仕事への向き合い方もさまざまだと知った。尊敬する人も増えたという。
自ら採用した社員と入社後も関係が続くことも、働くモチベーションになった。「一緒に頑張ろう」と握手を交わした学生が、入社後に「契約をいただきました!」と、うれしそうに報告をしてくれる。採用の現場には、営業の現場とは異なる魅力があったという。
「人材開発部での仕事を通して、モチベーションの数が増えました。そのため、たとえ何か一つが欠けても、ほかに頑張る理由がある。採用の仕事を通して得られた自分の強みになっています」
一方で、採用した社員の活躍を自分の成果として受け止められない気持ちもあった。あるとき、表彰された社員が「斉藤課長に褒められたくて頑張りました」と話してくれた。とてもうれしかった半面、営業で成果を上げたのはその社員自身であり、指導したのは現場の上司だ、という考えが拭えなかった。
「採用担当として『良い人材を採用した』という評価はあると思います。でも、採用した社員が活躍しても、自分の実力で評価されているわけではないという考えが付きまとっていました。私はもっとダイレクトに泥臭く、喜びを味わえる環境が好きだと感じました」
そう考えた斉藤さんは面談で副社長と創業社長に直談判し、営業への復帰を希望した。選んだのは、営業としては未経験の「マンション用地の仕入れ」だった。
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