コンビニに求められる価値が変化している――セブン‐イレブン・ジャパンの阿久津知洋社長は、11月6日に実施したセブン&アイ・ホールディングスの投資家向け説明会でそう指摘した。この変化に対応し、さらなる成長を目指すという。
セブン&アイ・ホールディングスが10月8日に発表した2027年2月期第2四半期(中間期)の決算は、営業収益が前年同期比2.8%減の5兆4602億7400万円、営業利益が11.5%増の2322億8000万円だった。
国内コンビニエンスストア事業の営業収益は前年同期比1.0%増の4673億2200万円、営業利益は9.8%減の1098億9900万円。全店平均日版は71万円だった。セブン-イレブン・ジャパンの既存店売上高は1.1%増、客数は1.7%減、客単価は2.8%増となった。
これまでコンビニには、利便性や品質、品ぞろえが求められてきた。一方、現在はそれらに加えて、新たな体験価値や、価格と品質のバランスが取れた商品が求められているという。
背景にあるのは、余暇時間の増加による「Me Time」(自分のために使う時間)の広がりや、実質賃金の上昇による購買力の変化だ。出来立ての商品やIP・エンタメ商品など、買い物を通じた新しい体験へのニーズが高まっている。
こうした変化に対応するために注力する取り組みの1つが、店頭で調理して提供する「ライブミール」の拡大だ。揚げ物などのフライヤー商品や、利用客から注文を受けた後に焼成マシンで焼き上げて提供する「セブンカフェ ベーカリー」、レジ横のマシンで紅茶を提供する「セブンカフェ ティー」、スムージーなどを展開し、出来立てならではの価値を打ち出す。
同社によると、ライブミール商品の販売は、2024年度上期と比べて22%伸長した。
セブンカフェ ベーカリーは、現在約1万3000店に導入しており、今期中に1万8000店まで拡大する計画だ。セブンカフェ ティーも現在の約5000店から、今期中に1万店への導入を目指す。
スマホアプリ「セブンナウ」によるモバイルオーダーにも力を入れる。仕事帰りにスマートフォンで注文し、店舗で受け取って自宅で食べるといった利用を想定している。
事前注文によって店舗側は需要を予測しやすくなる。作り置きではなく、注文を受けてから調理するため食品ロスの削減にもつながる。こうした仕組みを生かし、従来よりも高付加価値の商品も販売しやすくなるという。2026年9月には「ふわもちマルゲリータ」(780円)について、価格を据え置いたままサイズを約1.3倍に拡大した。
スイーツの品ぞろえ拡大やIP・エンタメ商品の強化にも取り組む。従来の食品や日用品の購入にとどまらず、買い物そのものを楽しめる商品を増やし、新たな来店動機につなげる。
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