まだまだ未熟な経営者が、大切にしてきた7つのこと:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(4/7 ページ)
20代半ばで独立してから今日まで、とにかく必死に走り続けてきた約16年間だった。経営者としてさまざまなことを経験し、そして多くを学んできた。今回はそこで得たことをいくつかお伝えしたい。
(4)常に発信し続ける
「人間は希望がないといきていけない」
だからこそ、自分で目標を掲げ、挑戦し、常に内側からエネルギーが溢れるように、それを発信し続けることができる自分でありたい。
ゼロから起業したとき実感したが、自分のことも、自社のサービスのことも誰も知らない。誰も知らないのは存在しないのと同じだと考え、2000年の創業当初、苦肉の策で、自社のWebサイトを作って、その中に掲示板を設置し、「あるベンチャーの起業日記」という記事を更新していた。さらにそれを当時流行っていた、メルマガ配信サービス「まぐまぐ」で毎朝7時に配信して、1日1回、自社を思い出してほしいという気持ちで継続していた。
その習慣が今でもブログとなって、もう15年以上続いている。高校生時代から読んでいたという方が、採用応募に来てくださったりすると感激するが、採用に繋がるだけではなく、自社でやっていることをアピールし続けるのはすごく大切な習慣だと思う。このブログから、多くの人と知り合い、多くのチャンスをいただいた。
私はブログを書くときに1つだけ自分に課していることがある。それは「ポジティブなことしか書かない」。
他人の批判はもちろんしないが、どんな苦しい経験もそのまま書くことはしなかった。ただ、そういった困難は社長業をやっていると誰でもぶつかるもの。避けることも逃げることもできないので、自分の中でしっかり向き合い、噛み砕いて消化して、学びにしてからそれをシェアするということを意識している。それは精神衛生上とても良かったことだった。ストレスを溜めなかったし、健全なデトックスになった。何よりも書くことが大きな学びとなった。
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