「女性が輝く社会」実現に向けて、私が使命感を持つ理由:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(4/5 ページ)
「女性がもっと活躍できる世の中を作りたい」。この思いを胸にずっと走り続けてきた。度重なる人生の困難も乗り越えてきた。なぜならば、私がやらなくてはならないという使命感があるからだ。
「分け合える社会」を作る
では、どういう社会が必要なのだろうか。
これからは「分け合える社会」が理想なのではないかと考えている。「シェアリングエコノミー」という言葉でくくってしまえばそうなのかもしれないけれども、私たちが手掛けているベビーシッターサービス「キッズライン」を通じて、安心して昔の村のコミュニティーみたいに、お互いに子どもを預け合えるような社会を実現したい。
例えば、お姉さんだったり、おばあさんだったりと、いろいろな経験や知識を持った大人と子どもが触れ合い、そんなかかわりから子どもが多くのことを学ぶ。そして母親からは、時間だけでは表現できない深い愛情を得るような社会に。
そしてまた、学ぶのは子どもだけではない。日ごろから子どもと接することで、大人たちもさまざまな気付きを得て、自分自身を成長させることができると信じている。
私がシェアリングエコノミーの1つのモデルケースとするのが民泊サービス「Airbnb」だ。これはホテルに泊まることだけが宿泊ではないと、宿泊の概念を変えた。ユーザーはホテルでは体験できないような、素晴らしい出会いや個性ある経験、視野の広がりを得ることができる。そしてまた、インバウンド需要に伴い、ホテルの建設ラッシュなども必要ない環境に対して優しいだろうし、同時に、大きな経済効果を生むことも期待されている。
キッズラインも、Airbnbのように育児の概念を変えたい。さらには、「クロネコヤマト」のように、全国津々浦々にまでインフラを構築してサービスを浸透させたい。もっと多くの女性や子どもたちが笑顔で生活できるよう、日本の隅々までベビーシッターが、安全、安心だけど、気軽に頼めるようなインフラを、社会を早く作りたい。
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