ファミコンブームの終息と、日本ゲーム業界への提言:高橋名人が語る(3/4 ページ)
1983年に登場したファミコンは、発売から20周年となった2003年に生産を終了しました。連載最終回では、ファミコンブームの終息と、今後の日本のゲーム業界に対する私なりの考えをお伝えします。
リアル追求に疑問
今のTVゲームは、まさにリアルを追求しています。しかし、私はこの傾向に多少の疑問を持っています。
例えば、現在のシューティングゲームは、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)やTPS(サード・パーソン・シューティング)が主流となっています。海外のゲームに特に多いのですが、戦争などのワンシーンが採用され、その敵キャラクターとして人間を描いているものが多く見られます。
かつてハドソンでは、自然界に存在しているものは決して敵キャラにしないようにしていました。人間の形であればロボットでいいし、クマやライオンなどの猛獣であっても、何かほかのものと組み合わせたものにしていたのです。なぜなら、TVゲームと言えども、実際に生きているものを傷つけるのはどうなのかというところに問題意識を持っていたからです。
だから先述のFPSであっても、実際の戦場ではなく、SF的な空間で、宇宙人などを相手にしてもいいはずなのです。リアルを求めるのはいいけども、もう少し配慮したほうがいいのではないかという懸念があるのも事実です。
たとえグラフィックはキレイであっても、極端に言えば、そこに映るのが四角と丸型でできた物体でも、TVゲームの楽しさは変わらないはずなのです。
現在は、スマホなどのSNS系ゲームの割合が多くなってきました。プレイヤーの数もそちらへの比重が大きくなってきていて、家庭用TVゲーム機のプレイヤーは、特に日本では縮小気味になってきています。
私自身、TVゲームだから、SNSゲームだからと区別するつもりはありません。その機器に合ったゲームであれば、それでいいからです。要はどんなコンテンツを、どのように遊ばせてくれるのかの方が大事だからです。
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