MAXのチームワークがどんどん強まった理由:MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(1/5 ページ)
どんな仕事であってもチームワークがなければ最大限のパフォーマンスは出ないと思います。特に私たちアーティストにとってそのことを強く感じるのがライブです。MAXはライブを通じていかにチームワークを強くしていったのでしょうか。
「あ、やばい……!」
それは、2013年に行われたあるライブでの出来事でした――。
通常ならばステージ脇に退いて行う衣装の早替えを、ステージ上でやってみせようというパフォーマンスの最中でした。ステージ後方に用意されたカーテン越し(昔やっていたテレビ番組「スーパージョッキー」の人気コーナーだった「熱湯コマーシャル」の着替えスペースをイメージしてください)で着替えようとしたときに、誤ってカーテンをずり下げてしまったのです。当然、このままで着替えるわけにはいかないし、そうかと言って、ステージ裏に下がって着替えている時間もありません。
「どうしよう、どうしよう……」
一人テンパっていると、隣の着替えスペースにいたメンバーのMINAが異変に気付き、とっさに自分の場所を少し開けてくれました。すぐに飛び込み、狭いスペースで2人そろって何とか着替えることができました。
ただし、それで一安心というわけにはいきません。本来ならばNANAを加えたメンバー3人が同時に着替え終えて、音楽に合わせてステージ前方に出ていく段取りだったのですが、私たちが着替え終わらぬうちにどんどん進行していきます。すると、示し合わせたわけでもなく全員で機転をきかせたのです。NANAが私のペースに合わせて待っていてくれて、先にMINAが一人で出て行きアドリブで踊りながら場をつないでくれました。その後、何事もなかったように私とNANAが踊りに加わり、次の曲に突入しました。
本番中で声を発することもできないので、この間のやり取りはすべて“阿吽(あうん)の呼吸”。20年以上にわたって一緒にやってきた仲間だから成せる業かもしれません。「このチームで本当に良かった!」と思えた瞬間でした。
また、最近のライブではこんなこともありました。
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