MAXのチームワークがどんどん強まった理由:MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(4/5 ページ)
どんな仕事であってもチームワークがなければ最大限のパフォーマンスは出ないと思います。特に私たちアーティストにとってそのことを強く感じるのがライブです。MAXはライブを通じていかにチームワークを強くしていったのでしょうか。
ライブのアイデア出しで苦心
そもそも、なぜライブを通じてチームワークが強くなっていくのでしょうか。「大舞台を乗り越えて結束力が高まる」ということもありますが、実はライブの準備段階で、メンバー同士、さらにはスタッフを含めて、徹底的にコミュニケーションをとっているからです。
MAXのライブは“伝統的”にほかのアーティストと比べて準備期間が短く、開催日が約2カ月半前に決まります。そこから全体の打ち合わせ、照明や曲順、ダンスなど個別の打ち合わせなどを経て、1カ月半ほど前から本番のリハーサルに入ります。
この準備の中で最も大変なのがアイデア出しと、それをまとめていく作業です。新譜や旧譜など、ライブでは20曲以上の曲構成を考えなければいけません。曲のジャンルや歌詞の内容に加えて、その曲のイメージにあった衣装に振り付けと、同じ見せ方をする曲は存在しないので、さまざまな組み合わせを検討していきます。その際に抱えきれないほどのアイデアが飛び出すわけですが、それを1つに絞り込むのに「ああでもない、こうでもない」と皆で膝を突き合わせて話し合うのです。
時には意見が衝突することもありますが、全員が「お客さんに喜んでもらえる最高のライブパフォーマンスを作る」という共通のビジョンを持っているので、決してネガティブなことにはならず、とても建設的な議論ができるのです。そして最終的には全員が納得する形にできるのも、ひとえにチームワークがあるからだと思います。もしチームワークがなければ、きっと足並みそろわず、不完全な形で本番を迎えてしまうことでしょう。
このようなライブに向けた一連の取り組みによって、各自がさらに成長することができ、その結果、次のライブでもっと素晴らしいアイデアやパフォーマンスを生み出すことにつながっていくのです。
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