MAXのチームワークがどんどん強まった理由:MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(3/5 ページ)
どんな仕事であってもチームワークがなければ最大限のパフォーマンスは出ないと思います。特に私たちアーティストにとってそのことを強く感じるのがライブです。MAXはライブを通じていかにチームワークを強くしていったのでしょうか。
自分のことだけで精一杯だった過去
昔はステージにいるほかのメンバーの位置や距離感がなかなかとれずに苦労したけど、今ではライブ中に相手の方向を見なくても、「あ、ダンスをミスしたな」とか「この後の歌詞を絶対間違えるな」とかなど、その場の空気感だけですべて透視できてしまうほど(笑)。それほどまでにチームの一体感が出来上がっていますが、私たちも最初からライブでのチームワークが抜群だったわけではありません。
デビューしたてのころは、ライブ経験などほとんどなく、メンバー全員が右も左も分からない状態。ライブで「これがやりたい、あれがやりたい」というアイデアもなく、とにかく決められたことをこなすのに精一杯でした。
だから、ほかのメンバーがミスをしても、それをフォローする余裕はありません。歌やダンスなど自分のやるべきことだけにメンバーそれぞれが必死で、チームで何かをしているというよりも、個人プレーに近い状態だったかもしれません。また、ライブに対する目標も各自バラバラだったので、自己満足で終わっていた部分が強かったかもしれません。
そうした状況に決して満足していたわけではないのですが、何よりも経験が足りないのでどうにもできないという歯がゆさを感じていました。
ところが、ライブの回数を積み重ねていくにつれて、私も、ほかのメンバーも視野が広がり、余裕が生まれてきて、デビューして2〜3年経ったころには、各自がアイデアを持ち寄ってダンスの振り付けなどを考えたり、ライブ中に誰かがミスしてもすぐにサポートできるようになったりして、結果的にライブ全体のパフォーマンスが飛躍的に向上しました。
すると次第にライブに対してメンバー全員が同じ目標を持つようになったのです。以前はただ単に「カッコ良く見せたい」だけだったのが、「お客さんを楽しませたい」「常に新しいことに挑戦して驚きを与えたい」といったものに変わってきました。今では、自分たちよりも、まずはお客さんをはじめ、周りの人たちが楽しむことを第一に、相手の視点に立ってライブを作り上げていくようになっています。
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