更地になったシャープ旧本社に何を思う:解体工事が進む(3/3 ページ)
大阪市阿倍野区のシャープ旧本社が更地の状態に。当初の計画では、8月31日までには解体工事が完了する予定であったが、工事は前倒しで進んでいるようだ。この光景に嘆きの声も。
実は、この場所は、正確には、今回更地になった旧本社ビルの場所ではない。
買い戻すことに成功した田辺ビルこそが、その場所である。つまり、大阪での創業の地は、再びシャープの手に戻っているというわけだ。
田辺ビルは、野村不動産との協業により、住宅とオフィスを核とした「シャープスマートタウン構想」を検討しており、シャープのスマートオフィス構想を盛り込んだ、同社の中核拠点となり得る自社ビルの建設を計画している。
一方で、ニトリでは、シャープ旧本社の敷地を利用して新店舗をオープンすることになりそうだ。今後、新たなビルの建設を開始し、2019年夏ごろにはその姿が見られる予定だ。
シャープの関係者にとっては、旧本社が更地となったことは寂しいものだろうが、買い戻すことに成功した大阪での創業の地となった田辺ビルが、今後、どんな形で生まれ変わるのかに注目したい。
著者プロフィール
大河原克行(おおかわら かつゆき)
1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、25年以上にわたり、IT産業、電機業界を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。現在、ビジネス誌、Web媒体などで活躍。PC Watchの「パソコン業界東奔西走」をはじめ、AVWatch、クラウドWatch、家電Watch(以上、インプレス)、日経トレンディネット(日経BP社)、ASCII.jp(KADOKAWA)、ZDNet(朝日インタラクティブ)などで連載記事を執筆。夕刊フジでは「まだまだスゴい家電の世界」、中日新聞では「デジモノがたり」を連載中。著書に、「松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略」(KADOKAWA)、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「図解 ビッグデータ早わかり」(KADOKAWA)などがある。近著は、「究め極めた『省・小・精』が未来を拓く――技術で驚きと感動をつくるエプソンブランド40年のあゆみ」(ダイヤモンド社)。
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