道は自分で切り開く 少しずつでもいいから前に進む:MAX・LINA「私なりのプロフェッショナル論」(3/4 ページ)
私の人生にとって変え難い出来事になった米国留学。夢を叶えるためには、たとえ少しずつでも前に進むことが大切ですし、その道は自分で切り開くべきなのです。
純粋な心で楽しむ
米国滞在中には思いがけない体験もしました。ずっと憧れていた歌手、ジェニファー・ロペス(J.Lo)さんのライブを見に行くことができたのです。
J.Loは私が20代前半のときに歌手デビューしたのですが、彼女のダンスや表現力に一瞬で虜になってしまいました。いつかライブを見たいと願っていたのですが、なかなか機会に恵まれずにいました。
ちょうどラスベガスで彼女のライブがあると知ったので、これは見るしかないとチケットを買ってラスベガスに向かいました。J.Loは現在48歳ですが、ダイナミックなダンスパフォーマンスや表現力は衰えることを知らず、強い刺激を受けました。
職業柄、日本でもいろいろなアーティストのライブを見に行くのですが、例えば「あの照明の使い方はいいな」「この衣装はカッコいいな」などと、どうしても仕事というフィルターを通して見てしまいます。ところが、J.Loのライブは、そうしたことを抜きに、純粋に彼女のパフォーマンスを楽しむことができましたし、自分の表現力をもっとこうした方がいい、こう攻めたほうがいいと、気付きや学びがありました。結局、1回だけ見て帰るはずが、ライブが終わるとすぐに翌日のチケットも取って、2日連続でライブ会場に足を運びました。
若いころは“無”の状態なので、あらゆる物事が新鮮で、さまざまな経験がどんどん自分の糧になっていきます。けれども、年齢とともに経験も重ねていくと、ちょっとしたことでは刺激を受けたり、感動したりしなくなってしまいます。私自身もそうなってしまっていた中で、J.Loのライブから受けた刺激は、歌とダンスを見つめ直す良い機会でした。
仕事の面だけでなく、若いときのまっさらな心や夢見ていたときの気持ちを思い返させてくれた素晴らしい体験でした。そして気付いたのが、こんなに自分にとってためになるのであれば、今までのように「行きたいけど予定が合わない」などと躊躇(ちゅうちょ)せず、来日しなければ自分からライブを見るためだけに渡米するなど、積極的に行動したほうがいいのではと考え方が変わりました。これまでできなかったから、これからもできないのではなく、自分の殻を破っていけば、できることはたくさんあるのだと実感しました。
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