人気者になるために、フォロワー購入はズルいことなのか:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
TwitterのフォロワーやFacebookの「いいね」の数を大量に購入している――。米ニューヨーク・タイムズ紙が購入者を実名で明らかにしたが、こうしたズルい行為のどこに問題あるのか。私たちの生活には関係ないと思っていたら……。
Twitterの偽アカウントは4800万アカウント
Instagramでも偽フォロワーは過去に問題になっている。14年にInstagramが大量の偽アカウントを削除した際には、例えば米歌手のジャスティン・ビーバーは350万人のフォロワーが消滅することになったと大きく報じられた。
一方でTwitterを見ると、偽アカウントは4800万アカウントにもなると言われている。17年の米議会の公聴会でTwitter社は、16年の米大統領選で最低でも3万6000件の偽アカウントが大量の偽メッセージをツイートしていたことを認めている。ちなにみ、特定のTwitterアカウントのフォロワーにどれだけ偽アカウントが含まれているのかを瞬時に計算してくれるサイトも存在する(参照リンク)。
ただこうしたアカウントをフォロワー購入や「いいね」購入ビジネスに使っても法的な違法行為には今のところならない。ただTwitter社はニューヨーク・タイムズの記事が出ることを察した時点で、偽アカウントの大量削除を行なったとみられており、多くの有名人のフォロワー数が急に減るなんていう事態になったとの報道もある。
ならば、こうした行為の一体何が問題なのか。すでに述べた米大統領選のような政治的な影響力は言うまでもないが、それに加えて、単純に「ズルい」という側面がある。真のフォロワー数で勝負しないのは正々堂々としていないという声もあるだろう。もちろんそれは正しい意見だが、一般社会でも例えばイベントなどに「サクラ」が紛れているケースは多い。それもズルい行為だが、あまり公然と語られないだけで、人々は見て見ぬ振りをしている。
フォロワーや「いいね」の数が、人気や注目度のひとつの指標になっていることを考えれば、大量のフォロワーを購入する人がいることも理解できる。Devumiの例に漏れず、現実に世界的なシンガーや俳優などもフォロワーを購入している疑いが指摘されている。例えばドナルド・トランプ大統領のTwitterのフォロワー4780万人のうち4割以上が偽アカウントで、過去に購入した可能性が指摘されている。
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