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沖縄・コザの街のシャッターが少しずつ開き始めている理由:ロックの街に何が?(2/4 ページ)
ロックの聖地として知られるコザ(現在の沖縄市)。基地に隣接する街であることもあって、かつては戦争特需で空前の好景気が訪れた。しかし、その後の衰退によって、中心街はシャッター店舗だらけになってしまった。そうした中、数年前から徐々に街が活気付こうとしているのだ――。
スタートアップカフェとは、起業の相談や準備などを支援するための場所として、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と福岡市が「福岡市スタートアップカフェ」を開設したのを皮切りに、大阪市の関西大学 梅田キャンパス内にある「スタートアップカフェ大阪」、そしてコザと現在3カ所ある。スタートアップカフェコザは16年8月にオープンし、今では年間約2万人が利用しているそうだ。
スタートアップカフェコザで代表を務める投資家の中村まこと氏は、沖縄市を選んだ理由について、暮らしている人たちの国籍は実に40カ国以上というダイバーシティ(多様性)や、ベルリンのように古い街のリノベーションによって地域が再生した例を引き合いに、そのポテンシャルが沖縄市にもあることなどを挙げる。
スタートアップカフェコザの主な役割は、(1)起業や創業の相談窓口、(2)IT教育による人材育成、(3)アクセラレーションプログラム(ベンチャー支援)である。
人材育成に関しては、プログラミングスクールを開講し、学生から社会人、主婦まで幅広い層が学べるようにした。これまでにのべ300人が受講し、市外からの参加者も少なくないという。「沖縄市だけにとどまらず、沖縄県全体のエンジニア育成に貢献したい」と中村氏は意気込む。
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